今回は「GUERLAIN(ゲラン)シャリマー オーデパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
シャリマー オーデパルファンは、シトラスを中心とした複雑な香りから始まりパウダリーフローラルへ続き、そして最後はゆったり漂う甘いバニラへと変化していく香水です。
「永遠の愛」をテーマにした、オリエンタル系の香りです。
この記事はこんな方にオススメ!
・ゲラン、シャリマー オーデパルファンの香りについて詳しく知りたい
・香水を付ける時は、香りの変化をしっかり感じたい
・ゆったりと肌の上を這うような、官能的なバニラ香水を探している
GUERLAIN(ゲラン)シャリマー オーデパルファンとは?
香水の基本情報
タイトル:SHALIMAR Eau de Parfum(シャリマー オーデパルファン)
ブランド:GUERLAIN(ゲラン)
香調:オリエンタル、パウダリー
調香師:ジャック・ゲラン
発表:1990年
-AD-
トップノート:レモン、ベルガモット、シトラスノート
ミドルノート:ジャスミン、ローズ、アイリス、パチョリ
ラストノート:オポポナックス、トンカビーン、バニラ、バルサミムノート、アンバー、サンダルウッド、インセンス、レザー、シベット、ムスク
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:6.5時間程度
放香性:★★★★☆ やや強い
シャリマー オーデパルファンって、どんな香り?
トップノート:シトラスを中心に多層的な香り(20分)
シトラスノートを中心に、複雑に絡み合ったスタート。
シトラスの中では「ベルガモットの苦味」と「レモン果肉の酸味」が最も立っている。
そしてこれはパチョリとトンカの仕業なのだろうか。ダークチョコレートのような香りもある。
奥の方にはオポポナックスのスモーキーなバルサム調の香り、インセンスの甘み、そしてサンダルウッドの辛い木の香りがあるのも感じられる。
ミドルノート:パウダリーフローラルが「開く」(30分)
シトラスが遠のき、フローラルが開いていく。
本当にこれは「開いていく」という表現が適切で、トップのスパイシーで固かった部分がほころんで、ふわっと柔らかく香りが”開く”のだ。
花一つ一つの輪郭は不明瞭でブーケ様のフローラルとなっているが、私の肌ではアイリスのパウダリーな甘さが最も強く感じられた。
ラストノート:バニラ・樹脂・インセンス(5.5時間)
パウダリーなフローラルから、「ゆったりとした甘さ」が出てきたらラストノート。
甘さの中心にはバニラがいると思うのだが、バニラエッセンスのようなグルマンディーズな香りではなく、樹脂系の甘みになっている。
この甘さが大変 官能的に、ぬらりと香り立つ。
それは とろりと溶けた金属がゆっくり地面を這うようなイメージで、柔らかい甘さが肌を覆っていく。
ラストに入ってから さらに1時間ほどすると、バニラ+インセンスの甘い香りになった。
そのまま淡く甘い香りが長く続き、フェードアウトしていった。
▼▼ サンプルで試したい方・AD ▼▼
ゲラン/シャリマー オーデパルファンの解説と感想
「永遠の愛」をテーマにした香水
1925年に3代目ゲラン調香師、ジャック・ゲラン氏が生み出した「SHALIMAR(シャリマー)」の香り。
こちらが世界で初めての「オリエンタル香水」だと言われています。
発売当初は「パルファン」「オーデトワレ」「オーデコロン」のラインナップだったそうですが、60年ほど経って「パルファン ド トワレ」が生まれ、それが「シャリマー オーデパルファン」へと引き継がれていきました。
「シャリマー」という名は、17世紀頃のインドにあったムガル帝国を治めた「シャー=ジャハーン」が、愛妃に贈った「シャリマー庭園」に由来しています。
これはサンスクリット語で「愛の神殿」という意味。
皇帝の寵愛を一身に受けた妃、「ムムターズ=マハル」は37歳という若さで亡くなり、その死に悲嘆に暮れた皇帝が愛妃の墓廟として建てたのが、かの有名なタージ=マハルです。
シャリマーシリーズは特徴的な流線型のボトルなのですが、これはシャリマー庭園の泉からイメージされたもの。
そして扇形のブルーのキャップは、シャリマー庭園に永遠に流れる噴水を表しています。
シャリマーの香りも そのボトルも、「永遠の愛」をテーマにした香水なのですね。
官能的なオリエンタル香水、万人受けはしない
さて、シャリマー オーデパルファンを肌にまとって。
トップノートから、大変複雑な香りが展開します。
中心にあるのはシトラスなのですが、そのすぐ後ろに「スパイスで香り付けしたダークチョコレート」があり、さらにその後ろには「樹脂系の甘み、スモーキーさ、ウッディーさ」といった香りが多層的に広がっています。
香りが進むと「ふわっと柔らかいパウダリーフローラル」へと変化していきます。
トップではシトラスやスパイシーな”固さ”を感じるのですが、それがホロリと崩れて柔和な表情 へと変わるのです。
上の「ミドルノート」の項目でも書きましたが、これは香りが”開く”という表現が本当にぴったり。
よく、デキャンタージュによってワインの味がまろやかになることを「ワインが開く」と言うと思います。
私はワインに全然詳しくないのですが、この香りが”開く”感じは、ワインのそれと似ているのかもしれませんね。
その後はバニラを中心に、樹脂・インセンス系の香りが重なりドライダウンします。
チョコレートだのバニラだの言っていますが、シャリマーはグルマン系の香水ではありません。
甘さは十分に感じられますが、「美味しそうな香り」ではなく、官能的な魅力があふれてくるオリエンタル系の香水になっています。
クラシックで、いわゆる”香水らしさ”のある香りなので、好き嫌いは別れると思います。
秋冬に似合う、甘やかでゆったりとした香水です。
まとめ
今回は「ゲラン/シャリマー オーデパルファン」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
シャリマー オーデパルファンは、多層的で複雑なシトラスからパウダリーフローラルへと続き、最後は官能的なバニラへと大きく変化していく香水です。
甘さは強いですが、グルマン系ではなくオリエンタル系の香りとなっており、”香水らしさ”もあります。
秋冬に似合う、温もりのある香りです。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
★「オリエンタル系の甘い香り」が好きな方はこちらの記事もオススメです。
今回は「MONTALE PARIS(モンタル)センシュアル インスティンクト オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 センシュアルインスティンクトは、レザリーで金属っぽい香りから始まり、次[…]
今回は「SERGE LUTENS(セルジュ ルタンス)アンブルスュルタン オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 アンブルスュルタン(アンバーの王)は、西アジアの寺院を思わせる静謐さ、樹脂[…]
参考:ゲラン公式ホームページ「シャリマー オーデパルファン」https://www.guerlain.com/jp/ja-jp/p/shalimar-eau-de-parfum-P011355.html