今回は「GUERLAIN(ゲラン)シャリマー オードゥ ア ラ ヴァニーユ オーデパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
シャリマー オードゥアラヴァニーユは、「バニラにこだわりました」版のシャリマーです。
2010~2013年に登場した、限定版のシャリマーとなっています。
ページの後半では、通常版シャリマーとの比較についても掲載しています。
この記事はこんな方にオススメ!
・ゲラン、シャリマー オードゥアラヴァニーユの香りについて詳しく知りたい
・バニラには並々ならぬ こだわりを持っている
・オードゥアラヴァニーユとオリジナル版シャリマーの違いが知りたい
GUERLAIN(ゲラン)シャリマー オードゥアラヴァニーユとは?
香水の基本情報
タイトル:SHALIMAR Ode a la Vanille Eau de Parfum(シャリマー オードゥアラヴァニーユ オーデパルファン)
ブランド:GUERLAIN(ゲラン)
香調:オリエンタル、パウダリー
調香師:ティエリー・ワッサー
発表:2010年、2012年、2013年(限定版)
ノート:レモン、ベルガモット、スパイスノート、ジャスミン、メイローズ、アイリス、インセンス、バニラ、オポポナックス、バルサミックノート、トンカビーン
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:7.5時間程度
放香性:★★★★☆ やや強い
シャリマー オードゥアラヴァニーユって、どんな香り?
※本レビューでは、2010年版の「シャリマー オードゥアラヴァニーユ」を用いています。
トップノート:酸味の効いたシトラス(30分)
シトラスを中心に、酸味の効いた香りでスタート。
特にレモンが強く出ている。
つけ始めから5分ほどで香りの中に少しパウダリーさが見えてきたが、まだまだメインはシトラスの酸味の方。
「爽やかさ」を感じさせるトップノートになっている。
ミドルノート:シトラスが徐々に薄れ、パウダリーさが出る(1時間)
徐々にシトラスが抜けていき、アイリスのパウダリーさを中心としたフローラルへと変化していく。
シャリマー オーデパルファン同様に、トップの酸味で「キュッと固く閉じていた蕾」がほころんで、花がふわっと開いたようなイメージをもたらす変化の仕方だ。
シトラスの酸味も完全に消える訳ではないので、割とすっきりしたパウダリーフローラルに感じられる。
この酸味は、ミドルの間に時間をかけて じわじわと薄れていく。
ラストノート:妖艶なバニラ(6時間)
甘い香りを中心に、ドライダウンに向かう。その中心には「バニラ」がいる。
シトラスの酸味やレザーの香りがバニラの甘みを引き立て、奥行きを与えているようだ。
単調で甘く”可愛い”バニラではなく、複雑でハンサムなイメージ。
シャリマーらしく、”妖艶”で”官能的”なバニラだ。
最後は、バニラ+インセンスの甘い香りが淡く肌を覆う。
シャリマーらしく、女性寄りのオリエンタルな香調。
秋冬に似合いそうな香りだった。
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ゲラン/シャリマー オードゥアラヴァニーユの解説と感想
天然バニラ香料を用いた「シャリマー」
2010年、2012年、2013年に発売された限定版シャリマー、「SHALIMAR Ode a la Vanille/Eau de Parfum(シャリマー オードゥアラヴァニーユ)」の香り。
Ode a la Vanille(オードゥアラヴァニーユ)とは、フランス語で「バニラへの賛歌」という意味です。
元々シャリマーの香りは、ゲラン2代目調香師であるエメ・ゲラン氏の作った「Jicky(ジッキー)」からアロマティックな要素を引き算し、バニラをふんだんに効かせる形で作り上げられました。
キーとなるシャリマーのバニラには、「エチルバニリン」という合成香料が用いられています。
これは天然のバニラ香料に含まれる「バニリン」よりも、強いバニラ香を持っているのが特徴。
これによってリッチで深いバニラの香りをもたらしたのが、3代目ゲラン調香師であるジャック・ゲラン氏が作った「シャリマー」という香水なのです。
そんなシャリマーの肝とも言える「バニラ」の香りを、「天然香料で表現しちゃいましょう!」というのが本ページでご紹介しているシャリマー オードゥアラヴァニーユ。
この香水の2010年版には、アフリカ大陸南東に位置するマダガスカル島の近く――マヨット産のバニラと、太平洋に浮かぶ島――タヒチ産のバニラが使われています。
ちなみに2012年版はマダガスカル産、2013年版はメキシコ産のバニラが それぞれ使用されていました。
オリジナル「シャリマー オーデパルファン」と「シャリマー オードゥアラヴァニーユ」の違い
さて、オリジナルの「シャリマー オーデパルファン」と「シャリマー オードゥアラヴァニーユ」には、どんな違いがあるのでしょうか。
個人的な印象としては「ぶっちゃけ、あんま変わらん」です。
私の肌が悪いのか、それとも鼻が悪いのか…。
あまり大きな違いはなく、「うん、どっちもシャリマーだね」といった香りに感じます。
そんなわけで 基本的にはよく似ている二つですが、オードゥアラヴァニーユの方が「トップのシトラス感」が強いように思いました。
オリジナル シャリマーの方では、シトラスの奥にスモーキーな香りや甘さ、ウッディーさなどが透けて見えるのですが、オードゥアラヴァニーユにはそれが少ないのです。
割とすっきり、シトラスの香りのみが広がる感じ。
「あれ?これシャリマーだよね?」と確認したくなるくらい、爽やかな香りで始まります。
もう一つ違いがあるのは、やはり「バニラ」です。
どちらも「ゆったり、官能的に肌を這う」ような深いバニラの香りなのですが、オードゥアラヴァニーユの方が香りが「ウエット」で、「ラム酒様の芳醇さ」があり、強さ的には「むしろマイルド」なように感じました。
それでも「一生懸命に香りの違いを探せば、こんな所かな?」という程度で、基本的にはオリジナルのシャリマーとよく似ていると思います。
まとめ
今回は「ゲラン/シャリマー オードゥアラヴァニーユ オーデパルファン」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
シャリマー オードゥアラヴァニーユは、シャリマーのキーである「バニラ」に天然香料を採用した香水です。
多少、バニラの香り具合に違いがあるようですが、基本的には「シャリマー オーデパルファン」によく似ていると思います。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:アロマ調香レッスン/新間美也/2021年/原書房