今回は「SERGE LUTENS(セルジュ ルタンス)アンブルスュルタン オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
アンブルスュルタン(アンバーの王)は、西アジアの寺院を思わせる静謐さ、樹脂系の甘い香り。
付け始めはお線香のような香りや酸味・スパイシーさも強いですが、次第に柔らかな甘さに落ち着く香水です。
この記事はこんな方にオススメ!
・セルジュルタンス、アンブルスュルタンの香りについて詳しく知りたい
・寺系のオリエンタルな香りが好き
・樹脂系の甘い香りが好き
SERGE LUTENS(セルジュ ルタンス)アンブルスュルタンとは?
香水の基本情報
タイトル:Ambre sultan Eau de parfum(アンブルスュルタン オードパルファム)
ブランド:SERGE LUTENS(セルジュ ルタンス)
香調:オリエンタル、ウッディー
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表:1993年
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ノート:
オレガノ、マートル、コリアンダー、ベイリーフ、アンジェリカルート、アンバー、ベンゾイン、ミルラ、パチョリ、サンダルウッド、バニラ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4.5時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
アンブルスュルタン(アンバーの王)って、どんな香り?
トップノート:一癖ある、強い寺系(20分)
お寺の中に居るような香りで始まる。
お線香の匂いと、濃い飴色に輝く古い床や柱の木の匂い。
付けてすぐは木の酸味が強く、なめし皮のような一癖ある匂いも感じるのだが、5分ほどで落ち着いてくる。
ベースにあるバニラの温かい甘味と、サンダルウッド系の辛い木の香りも感じる。
ミドルノート:香木を焚いた後の部屋(40分)
オリエンタルな雰囲気、樹脂・お香のスパイシーで甘い香りが主役になる。
甘く温もりのあるアンバー、バニラがそれを下支えしている形だ。
香木を焚いた後の部屋のような、「室内に残る甘い香り」といったイメージ。
付け始めよりも、乾いた香りになってきた。
ラストノート:バルサミックな甘さ(3.5時間)
ほんわりとしたバルサミックな甘さでドライダウンに向かう。
相変わらず、粉っぽいバニラの甘さも感じる。
乾いた甘さが強いが、香り立ちはかなり淡くなっており、くどい香りとは思わない。
全体を通して香りの変化は少なく、寺系のオリエンタルな香調が続く。
付け始めが最もパワフルで、時間の経過とともに甘さが出てきてマイルドになる。
また甘さだけでなく、「温もり」や「乾いた感じ」も時間が経つほどしっかり出てくる香水だった。
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セルジュルタンス/アンブルスュルタンの解説と感想
スルタンとは
1993年に登場したノワールコレクションの中の1本、「Ambre sultan(アンブルスュルタン)」の香り。
2000年にセルジュルタンスという香水ブランドは立ち上がるのですが、その前に1992年から始まった、レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドーの頃に作られた香りの一つ。
「Feminite du bois/フェミニテデュボワ(1992年)」に次ぐ、2作目の香りとなっています。
この香水の邦題は「アンバーの王」ですが、sultan(スルタン)とはイスラム国家における「支配者」「権力者」という意味です。
元々はカリフ(イスラム教の宗教的な権威)によって、地域における政治権力を与えられた者をスルタンと呼びましたが、次第にスルタン=カリフへと切り替わり、スルタンの持つ力は増していきました。
この香水は「モロッコで出会ったアンバー」をテーマに作られていますが、モロッコもイスラム教の国の一つです。
こちらは「モロッコに吹き付ける風」がテーマ
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モロッコは地理的に「ヨーロッパに近いアフリカ大陸の国」なので、古来から色々な地域・国から侵攻を受けてきました。
近現代ではフランスやスペインからも、保護領として支配されています。
1956年にフランスから(後にスペインからも)独立したことで、今のモロッコ王国の形となりました。
ですので、独立時のスルタン「ムハンマド5世」が、1957年にスルタンの称号を廃し「国王」と名乗ったことは、モロッコにとってはただ肩書が変わっただけではない、非常に重要な意味を持つ、歴史の転換点でもあるのです。
香水・アンブルスュルタンは、隆盛した喜びも、支配された不条理も経験した、スルタン時代の古のアンバーの香りなのですね。
「東アジアの寺院」から「西アジアの寺院」へ
ブランドによる香りの説明は、このようになっています。
はるか昔、モロッコはマラケシュの旧市街。 ざわめきのなかで出会ったひとかけのアンバー。 その心地よい香りの記憶は鮮明なまま、 時を経て一瓶の香水となった。 その贅沢さ、純粋さ、類まれな魅力。 抗うことのできない、アンバーの王。
ーSERGE LUTENS公式ホームページより
この香水を一言で表すのなら、「スパイシーで、樹脂の甘さが強い寺系」となります。
最初の方は木の辛い香りが強いですが、時間の経過とともにバルサミックな甘さが強くなっていきます。
ですので、出だしは日本のお寺でも感じる「お線香」や、「本堂のお香の匂いが染み込んだ空間」を思い浮かべる香りです。
しかし徐々にそのイメージは変化し、最終的には「甘いお香が香る、西アジアの寺院」へと繋がりました。
オレガノ、マートル、コリアンダー、ベイリーフ等のスパイシーハーバルな香りは、はっきりとは出てきません。
私の肌の上では、うまく木の香りの中に溶け込んでいるようです。
寺系香水ならではの「静謐さ」と、背筋が伸びるような「凛とした力強さ」を持つ香りです。
静かにリラックスして過ごしたい時だけでなく、正装でお出かけするような場面にも似合う香水だと思います。
まとめ
今回は「セルジュルタンス/アンブルスュルタン オードパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
アンブルスュルタンは、「香木を焚いたあとの西アジアの寺院」をイメージさせる、樹脂の甘い香り。
前半は酸味やスパイシーさも強く一癖ある寺系の香りですが、最終的にはとても柔らかくまろやかな香りに着地します。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:SERGE LUTENS公式ホームページ「アンブルスュルタン」https://www.sergelutens.jp/ja_JP/105000000030000.html?cgid=fragrance-allfragrance-collectionnoire