今回は「TOM FORD(トムフォード)ロストチェリー オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ロストチェリーは、ブランデーシロップに漬けたダークチェリーの香水。蜜が滴るような香りです。
チェリーの赤黒い果汁に染まる、純白のジャスミン。LOST CHERRYの名に相応しい香りになっていますよ。
この記事はこんな方にオススメ!
・トムフォード、ロストチェリーの香りについて詳しく知りたい
・チェリーの香水が欲しい
・お酒感の強い香り、甘い香りが好き
TOM FORD(トムフォード)ロストチェリーとは?
香水の基本情報
タイトル:LOST CHERRY Eau de Parfum(ロストチェリー オードパルファム)
ブランド:TOM FORD(トムフォード)
香調:フルーティー、グルマン
調香師:ルイーズ・ターナー
発表:2018年
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トップノート:ブラックチェリー、チェリーリキュール、ビターアーモンド
ミドルノート:サワーチェリー、プラム、ターキッシュローズ、ジャスミンサンバック
ラストノート:トンカビーン、バニラ、シナモン、クローブ、ペルーバルサム、ムスク、オーストラリア産サンダルウッド、ハイチ産ベチバー、バージニア産シダーウッド、パチョリ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:6~6.5時間
放香性:★★★★☆ 強い
ロストチェリーって、どんな香り?
トップノート:洋酒に漬かったブラックチェリー(50分)
出だしから濃厚なブラックチェリーが香る。
酸味など、ない。
ブランデーのような甘い香りのお酒が混じったシロップに漬けこまれたブラックチェリーを、口の中で噛み潰したような香りだ。
蜜がじゅんわり染み出してくる。
「可愛いチェリー」ではない、「官能的なチェリー」の香水であることを予期させるオープニングだ。
ミドルノート:ジャスミンの色っぽさ(1時間30分)
トップからミドルへの変化は殆どない。
少しだけ”酒感”が抜けフルーティーさが増したように思うが、まだまだ「酒系グルマン」といった香りが続く。
ノートにはサワーチェリーが挙げられているが、私の肌では酸味はなく、ジューシーで甘いダークチェリーの香りがする。
花の香りについては、ローズはさっぱり分からないが、ジャスミンは結構感じる。
お酒とチェリーの香りの背景に、ジャスミンのツンとしたインドール臭があって、かなり妖艶な雰囲気を醸し出していた。
ラストノート:グルマン系の甘さ(4時間)
甘さがどんどん増していく。
バニラやトンカ豆、クローブ、樹脂系の香りが混じった、こってりとした甘みだ。
ここまでくると洋酒系の香りやブラックチェリーのフルーティーさはグンと少なくなり、甘い香りの方が主役となる。
ブランドによるとプライベートブレンドコレクションはシングルノートとのことだが、経時的な香りの変化が大きいものも多い。
ロストチェリーはそういった変化は少なめ、ざっくり言うと前半は「洋酒チェリー」、後半は「こってりグルマン(美味しそうな甘さ)」という香りだった。
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トムフォード/ロストチェリーの解説と感想
ロストチェリー、香水の名が持つ意味
2018年に登場した「LOST CHERRY(ロストチェリー)」の香りは、トムフォード・プライベートブレンドコレクションの中の一本。
調香師はジボタン社のルイーズ・ターナー氏です。
トムフォードの香水は「F・ファビュラス(2017年)」や「ローズプリック(2020年)」、「ビターピーチ(2020年)」など、淫欲的な名前を冠しているものがありますが、こちらもその内の一つ。
「CHERRY」とは”未経験”であることを示すスラングです。
日本語では男性向けて使うことが多いかと思いますが、女性に対しても使われます。
(語源をたどると、元はむしろ女性に対して使われる言葉だったようです。)
つまりこの香水のテーマは「CHERRYをLOSTする=ヴァージンを失う」というところにあります。
だから、甘酸っぱく純真なチェリーの香りはしません。
ぞくっとするほど艶めかしい、暗褐色のチェリー香水なのです。
トム・フォード氏はこの香りについて、次のように話しています。
食べられるのを待つ豊満な果物のように、ロストチェリーは力強く非常に貪欲です。チェリーリキュールの香りとビターアーモンドの肌触りがハートに滴り落ち、キャンディーのような煌めきでその香りを艶めかせます。
ートム・フォード
純白のジャスミンが暗褐色に染まる
さて、香りについて。
この香水の香調を一言で表すならば、「酒系グルマン」となるかと思います。
甘い香りのする洋酒やとろりと濃いシロップ、さらにそれらを染み込ませたダークチェリーの香りが主役です。
ミドルに入るとジャスミンが妖しげに、艶っぽく香ります。
しかしジャスミンそのものの香りではなく、お酒やチェリーの香りの方を強く感じます。
それは『純白のジャスミンが、ダークチェリーの血のような果汁で染め上げられていく』かのよう。
これがこの香水のハートノートであり、「LOST CHERRY」の名に相応しい香りとなっているのです。
最終的にはチェリーの香りはどんどん薄れていき、バニラをはじめとしたグルマン系の甘さでドライダウンします。
ここでもやはり「可愛いグルマン系」ではなく、ペルーバルサムやクローブのちょっとクセのある香りが一捻り効いています。
「白いホイップクリーム」ではなく、「絡みつくような琥珀色」のイメージです。
ロストチェリーは最後まで甘みが強いので冬の方が使いやすいと思いますが、個人的にはあえて夏の盛りにこってり香らせるのも好きです。
「昼」よりは「夜」に纏いたくなる香水です。
まとめ
今回は「トムフォード/ロストチェリー オードパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
ロストチェリーは、洋酒とシロップに漬けたダークチェリーの香り。
そこに艶やかなジャスミンが混じり、最後は一捻り効いたグルマン系の甘さで終わっていきます。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:TOMFORD公式ホームページ「LOST CHERRY EAU DE PARFUM」https://www.tomford.com/lost-cherry-eau-de-parfum/T6-LOSTCHERRY.html?dwvar_T6-LOSTCHERRY_color=OC&cgid=3-555-624#start=6