今回は「TOM FORD(トムフォード)テュベルーズ ニュ オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
テュベルーズ ニュは、ジットリと濃厚で「ありのままのチューベローズ」を表現した香水です。
どこか人間味にあふれるような、力強い香りが魅力的ですよ!
この記事はこんな方にオススメ!
・トムフォード、テュベルーズ ニュの香りについて詳しく知りたい
・濃厚なフローラルの香水を探している
・「力強さ」は欲しいけど、「くどい」&「きつい」匂いは嫌だ
TOM FORD(トムフォード)テュベルーズニュとは?
香水の基本情報
タイトル:TUBEREUSE NUE(テュベルーズ ニュ オードパルファム)
ブランド:TOM FORD(トムフォード)
香調:フローラル
調香師:Yann Vasnier(ヤン・ヴァスニエ)、Shyamala Maisondieu(シャマラ・メゾンデュー)
発表:2021年
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トップノート:ジャスミン、リリー、花椒
ミドルノート:チューベローズ、カカオ、スチラックス、ベンゾイン
ラストノート:ムスク、スエード、ウード、トンカビーン
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:5時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
テュベルーズニュって、どんな香り?
トップノート:派手なジャスミン(30分)
トップノートは「クセの強いジャスミンの香り」がする。
インドール臭のツンとした感じと、ユリの華やかで強いフローラルが混ざり派手な香りに仕上がっている。
イメージ的には、80年代のバブリーな雰囲気。
ただし、そこに花椒(かしょう)のビリリとした強い風味がアクセントにしっかり効いている。
そのおかげで下品にならない一歩手前、ギリギリのラインを責めているような香りになっていた。
ミドルノート:絡みつくチューベローズ(1時間)
次第にチューべローズの甘い匂いがしっかり香るようになる。
サンオイル系のチューベローズだが、カカオの風味がしっかり効いていて、ビーチ感はゼロだ。
スティラックスやベンゾインの樹脂の甘みがカラメルのように香っており、すごくジットリとした(”しっとり”ではない)落ち着いたチューベローズになっている。
イメージとしては蔓性植物のように足元に絡みついてくるような、(言い方は悪いが)ネッチョリしている濃いチューベローズである。
ラストノート:お香っぽい甘さ(3.5時間)
ラストノートに入るとチューべローズがぼやけて行き、ウードやトンカビーンのお香っぽい香りが出てくる。
ムスクやスエードははっきりとは香らず、全てがぼんやりしていて輪郭がつかめないような匂いになっている。
残っているチューベローズの甘さにベビーパウダーの甘さを足したような、ほんわかマイルドな香りだ。
ここまで来ると、ミドルノートで感じていたような濃厚さはない。
華やかなメイクをした女性が化粧を落としたような、そんな香りの変化を見せた。
トムフォード的にはジェンダーレスの香りと位置づけられているようだけど、この濃厚なフローラルは女性向きに思える。
プライベートブランドコレクションの1本なのでシングルノート的に作られているのだと思うけど、トップ、ミドル、ラストとしっかり香りの変化を見せた。
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トムフォード/テュベルーズニュの解説と感想
『ありのままのチューベローズ』の香り
2021年にTOM FORD BEAUTYより発売された、「TUBÉREUSE NUE(テュベルーズ ニュ)」。
ちょっとマイルドに日本語に訳すなら、「素肌のチューベローズ」とか「ありのままのチューベローズ」となるでしょう。
この香水はタイトルが示す通り、チューベローズの良い所も悪い所も全てさらけ出すような、濃厚なフローラルとなっています。
私は、チューべローズの香水といえば「ジャスミンぽいな」とか「ガーデニアっぽいな」、はたまた「サンオイルの匂いだな」と思ったりします。
ですが、この香水のチューベローズはその全ての感想を抱きつつも、同時に「知っているどんなチューベローズの系統とも違う!」と感じました。
ジャスミンはトップノートで香っており、そこからチューベローズにグラデーション的に繋がっていくので、”ジャスミン的なチューベローズ”です。
でも次に現れるのは、もったりとした濃い”ガーデニアのようなチューベローズ”なのです。
そして「サンオイル的な匂いだな」と感じつつも、カカオや樹脂の甘みが”サンオイルの明るい香り”からジットリまとわりつくような”粘着質な香り”に変えてしまいます。
粘着質といっても「くどい」とか「きつい」香りではありません。
「けばい」のです。
白い花々の上品さや華やかなフローラルではなく、濃厚でけばけばしい。
でもギリギリ下品にはなっていない、絶妙なラインをついている香りだと思います。
人間味のある魅力にあふれた香水
ところで最近、フランシス・クルジャンの香水をつけていることが多かったのですが、久しぶりにトムフォードのものを使いました。
個人的にクルジャンの香水は、「貴族が貴族のために作った香水」という勝手なイメージがあって”お上品”な香りが多いような気がします。
一方トムフォードの香水は、どれをつけても「世俗的で人間くさい」のです。
久々につけたトムフォードのそんな力強さに「やっぱ好き!」と心をぎゅっと掴まれた心地がしました。
(クルジャンも大好きですが。あぁ、八方美人…。)
テュールーズ ニュは、「ありのままのチューベローズ」という意味の香水ですが、”ありのまま”にしてしまうのはチューベローズの花の匂いではなく、それをつける「人」の方なんじゃないかと思いました。
人間らしい失敗やダメダメなところ、ドロドロした感情などもひっくるめて「ありのままの自分でも、ほら大丈夫。こんなにいい匂いでしょ?」と笑いかけられているような気がします。
綺麗にまとまっているチューベローズの香りではないけど、そんな風に人間味のある魅力に溢れた香水だと思います。
まとめ
今回は「トムフォード/テュベルーズ ニュ オードパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
テュベルーズ ニュは、足元に絡みつくような濃厚なチューベローズを感じられる香水です。
どこか人間くさいような雑味を持ち合わせ、それでも”お下品”にはならない、絶妙なラインを上手くついている香りだと思います。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:TOMFORD公式ホームページ「TUBEREUSE NUE EAU DE PARFUM」https://www.tomford.com/tubereuse-nue-eau-de-parfum/T97J.html