香水は基本的にお肌に付けて使う事が多いですが、紙類に付けて香りを楽しむこともできます。
今回は、香水を含ませた紙「ムエット」がテーマです!
ムエットとは何か?というところから、オススメの楽しみ方、またムエットの作り方(身近で向いているムエット紙や長期保存の仕方)について詳しくお伝えしたいと思います。
この記事はこんな方にオススメ!
・ムエットが何か知りたい
・ムエットの楽しみ方を教えて!
・ムエットを作ってみたいけど、わざわざ専用紙を買うのはちょっと…
・できるだけムエットを長持ちさせる方法が知りたい
ムエットとは何か?何のために使うの?
ムエットとは?
ムエットとは、香水などのフレグランスを含ませた紙のことを言います。
日本語では試香紙(しこうし)、香料試験紙(こうりょうしけんし)、また匂い紙(においがみ)とも言います。
香水売り場に行くと細長い紙が置いてあると思うのですが、あれがムエット用紙です。
デパートなど販売員さんが対面で接客してくれるところでは、香りを試すためにムエットにして渡してくれたりもしますよね♪
ムエットは英語ではなくフランス語で「mouillette」と表記します。
その語源は「吸い取る」とか「濡らす」というところから来ているようです。
元々フランスでは細く切ったパンをムエットとよび、半熟卵やソースをパンにつけて食べる習慣があるためムエット=濡らす(mouiller)から作られたと言われています。
株式会社ISILK「プロが選ぶムエット紙とはどんな紙?」より
元々はパンなんですね~。
それを試香紙につなげてしまうなんて、美食とオシャレの国ならではという感じがします♪
ムエットの使い方、楽しみ方
先ほど香水売り場に置いてあるという話をしましたが、なぜムエットに付けて香りを確かめるのでしょうか。
それは「複数の香水を嗅ぎ比べたいときに、匂いが混ざらないから」なんですね。
調香師でもなければ、「香水を選ぶとき」というのがムエットを使うシーンの中で最も多いのではないかと思います。
でも、香りの確認以外にも使い方はあります。
おすすめなのはルームフレグランス代わりに使うこと。
ムエットを作って好きな場所に置いておくだけで、数日ほわーんと良い香りが続いてくれます。
ディフューザーなどだと一度置くと使い切るまで同じ香りですが、ムエットだと数日おきに香りを変えることができます。
古くなったり、ノズルの不調で付けられない香水でも、これなら十分に香りを楽しめますね!
★香水のノズル不調を直す方法や、使わなくなった香水の再利用法について載っています。
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その他には、お財布や名刺ケースに入れて持ち歩くなど、香害が気になって直接肌に付け難いときなどに、カバンやポケットに忍ばせておくのもオススメの使い方です。
ムエットの作り方
ムエットに向いている紙について
ムエット専用紙の代用品にオススメなのは?
ムエットには、それ専用の紙=ムエット専用紙というものがあります。
ネットショッピングサイトで「ムエット 紙」などと入力すると、ズラーっと出てきますね!
あまり使わない方は、こういった「冊子のタイプ」だと保管が楽で、使いやすいと思います。
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ムエットは絶対に専用紙が必要という訳ではなく、次のような紙であれば問題なく使うことができます。
- 無臭である
- ある程度の厚みがある
- 凹凸がある(ザラザラしている)
とても大切な事なのですが、香水選びにおいてムエットでは「ざっくりした香りの方向性」しか分かりません。
香水を肌に乗せると、殆ど場合ムエットとは違う香り方をするからです。
ですので、上記のような紙であればムエットの代用品として使ったとしても、一消費者が香りをチェックする程度の役割は十分に果たすことが出来ます。
私の使っているムエット紙
最近はムエットジプシーしていたのですが、今はこのムエット紙に落ち着いています。
かなり厚手で匂いをしっかり含んでくれるところと、手頃な価格が気に入っています。
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印字のある物を使っていたこともあるのですが、結局真っ白に戻りました。
個人的には、細長いタイプよりも名刺サイズくらいの大きい方が使いやすいです。
また、ある程度の厚みがないと香水をしっかり吸収することが出来ません。
表面がザラザラとして凹凸感があった方が良いのは、香りの成分をしっかりキャッチして、紙に留めておくことができるからなんですね。
簡単に買える、おすすめのムエット紙
私は上の画像の物を使っていますが、すぐ手に入る紙としては普通の「画用紙」がムエットに向いています。
これを好きなサイズにカットして使えばオッケーです。専用紙を購入するより、かなりお安くムエットが作れますよ!
●実際に、ダイソーで買える商品でムエットを作ってみました。
香りをチェックするためのアイテムに「ムエット(試香紙)」があります。●ムエットって何?については、こちらをどうぞ![sitecard subtitle=関連記事 url=https://tayutahu-kosui.co[…]
また、画用紙よりは割高にはなりますが、「単語帳」を使うのもかなりオススメです。
これだと丁度良い大きさにカットされていますし、リングで束ねてあるので紙がバラバラにならず保管も楽です。
いずれにしても専用紙よりはコストパフォーマンスに優れているので、このような代用品を使うのも良い手だと思います。
ただし、ツルツルして水を弾きやすい紙質だと向いていません。
画用紙や単語帳はメーカーによって紙質が大きく異なりますので、ザラザラして厚みがあり、水分をしっかり吸いそうな物を選びましょう!
ムエットの作り方
それでは、ムエットを実際に作っていきたいと思います。
①ムエットにしたい紙に、香水を吹きかける。
付ける量は、香水売り場にあるような細長い形なら1プッシュ、名詞サイズなら1~2プッシュ程度がおすすめです。
ちょっと見えにくいのですが、写真は2プッシュ付けています。
②2,30秒程度じっと待つ。
香水はエタノールに匂いを溶かしこんでいるので、噴霧してすぐはこのエタノールが揮発していきます。
つけたての香水を嗅ぐとエタノール臭が強く感じるのはこのためです。
2,30秒ほど待つとエタノールがとんで、香水本来のトップノートが香り始めますよ!
④少し鼻から離して香りを楽しむ。
ムエットを嗅ぐときは5~10センチほど鼻から離すと良いですよ。
あんまり近くでクンクン匂ってしまうと鼻が痛くなってくることがあります(私だけかもしれませんが…)。
また、香りをしっかり確かめたいがために鼻を近づけすぎると、ムエットに鼻がついてしまうことがあります。
そうなると香りの成分が鼻の頭に付着してしまい、別のムエットの香りを正確に嗅ぎ取れなくなります。
2~3プッシュ付けたムエットで、数日間香り続けます。
注意点としては、直接肌に付けた時よりトップノート、ミドルノート、ラストノートの変化がかなりゆっくり進んでいくということです。
香水にもよりますが、それぞれ数倍~10倍くらい香りの時間が延びるイメージです。
ちょっと話がそれますが、上記の理由から香水売り場でムエットを嗅いでもほとんどトップノートしかわからないと思います。
香水店ではムエットを何種類か作ってもらい、気に入った1種類を肌に付け、1日かけてラストノートまで確認してから購入することが大切です。
ムエットを長持ちさせる方法
香りを長持ちさせるために
空気と水分を通さない素材で包む
あまり機会はないかもしれませんが、ムエットを長持ちさせたい!という時の保管方法についてご紹介します。
香りが変わらないようにするためには、「作ったムエットを空気に触れさせない」「香水を揮発させない」ということが大切です。
つまり空気や水を通さない物質で包めばよいということです。
ムエットを作成するにあたってガスバリア性や水の透過性について学んだのですが、身近にあってこれが優れているのは「食品真空パック用の袋」でした。
日常的にお買い物に行くお店にはないけれど、インターネットショッピングでは買うことができます。
そして真空で保存できるということは「空気を抜いたままの状態を保てる」ということ。当然ガスバリア性が高く、水分もほとんど通さない物質ということになります。
「ポリ塩化ビニリデン」がコスパ最強
でも、1個問題が…。真空パック袋は高いんです。しかも密封するための専用機械が必要になる…。
そこでさらに探して行き着いた素材は「ポリ塩化ビニリデン」でした。
このポリ塩化ビニリデン、何に使われているかというと食品用ラップの素材なんです!
私が見つけたところでは、「サランラップ」と「クレラップ」がこのポリ塩化ビニリデン製でした。
(画像上は「ポリ塩化ビニリデン製」、下は「ポリエチレン製」)
※こちらはサランラップを作っている旭化成さんのホームぺージです。サランラップのガスバリア性や水の透過性についても詳しく載っていますよ!
旭化成グループのウェブサイトです。企業情報、事業・製品、研究・開発、株主・投資家情報、サステナビリティ、ニュースなどをご…
(リンクがトップページにしか設定できないのですが、サイト内検索で「サランラップ ガスバリア性」とすると該当ページが出てきます。)
アルミ蒸着チャック袋も良い
もう一つ。
アルミを薄く付けた(蒸着させた)素材も、ガスバリア性や水分防止性に優れています。
さらに遮光性まである!
●これです↓AD
こちらもコスパはあまり良くない(1枚50円くらい)です。
ブランドや香水店からムエットを取り寄せることもあるのですが、大体OPP袋に入っています。
しかし以前アールフレグランスさんから送られてきたムエットは、こういったアルミ蒸着袋に入っていたんですよね~。
「フレッシュな香りをどうぞ…」みたいなブランドのこだわりを感じ、「そういう所がたまらん。好き」と思った事を覚えています。
「ポリ塩化ビニリデン」と「ポリエチレン」で比較検証しました
写真↓のようなチャック付きの袋(ポリエチレン製)に入れただけでは空気も水分もかなり通します。
ポリエチレン製の袋は、目に見えないサイズの穴がいっぱい開いている状態なんです。
写真の2つで比較して確かめたことがあるのですが、チャック袋に入れただけの状態(写真、右)だとムエット作成直後から香りの変化がスタートし、1日1回1分間取り出すという条件で完全に匂いか消えるまで2週間ほどでした。
それに比べ、クレラップ(ポリ塩化ビニリデン)+チャック袋に入れて(写真、左)、1週間後~4週間後まで4パターン作り1週間おきに開封して確認しましたが、4週間後に開封したものでも香りを感じることができました。
ただし、2週間後のものから「ん?エタノール臭?」と感じるようになり、4週間後のものでは「香水の匂いが違うな」と違和感がありました。
これらの結果から、「ポリ塩化ビニリデン+ポリエチレンの2重包装では2週間程度は保存できるのではないか」ということと、「徐々に香りが変質してしまうので、やはり長期保存には向かない」ということが言えると思います。
ちなみに、何にも入れていない状態でムエットを置いておくと、2~3日はしっかり香りが楽しめて、1週間ほどすると薄っすらと匂いが分かる状態でした。
なので、そのまま出しておくよりは、ジップ付き袋に保管しておく方が香りを長持ちさせることが出来ますよ!
この比較で使用した香水は「ジョーマローン/ブラックベリー&ベイ」です。
こちらは割と香りが消えやすい方だと思います。(あっさりベリー系)
香水によってムエットの香りの残り方が大きく変わるので、ご注意ください。
まとめ
今回は「ムエットとは何か、その楽しみ方は?」、「ムエットの作り方」、「ムエットを長持ちさせるためには」という3点をテーマにお伝えしました。
香水店で香りを確認するだけではもったいない!
ムエットには肌に付けなくても香水を楽しむ力があります。
高いムエット専用紙を購入しなくても身近に売られているもので代用することができますよ。
ムエットでの楽しみ方も、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね!