今回は「BYREDO(バイレード)ローズ オブ ノーマンズランド オードパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ローズオブノーマンズランドは、土埃のようなスモーキーな香りと混じるローズの香水。
第一次世界大戦のころに実在した博愛の看護師、イーディス・キャベルを思わせる香水です。
この記事はこんな方にオススメ!
・バイレード、ローズオブノーマンズランドの香りについて詳しく知りたい
・スモーキーさや温もりも感じるローズ香水が欲しい
・物語のある香水が好き
BYREDO(バイレード)ローズオブノーマンズランドとは?
香水の基本情報
タイトル:ROSE OF NO MAN’S LAND Eau de Parfum(ローズオブノーマンズランド オードパルファン)
ブランド:BYREDO(バイレード)
香調:フローラル、ウッディー
調香師:ジェローム・エピネット
発表:2015年
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バイレード ローズ オブ ノー マンズ ランド オードパルファム 50ml BYREDO ROSE OF NO MAN’S LAND EDP [1780/0931] |
トップノート:ピンクペッパー、ターキッシュローズペタル
ミドルノート:ラズベリーブロッサム、ターキッシュローズアブソリュート
ラストノート:アンバー、パピルス
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:7.5時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
ローズオブノーマンズランドって、どんな香り?
トップノート:濡れた土と薔薇の花弁(10分)
雨に濡れた土の匂いと、薔薇の花弁をすり潰したような酸味で始まる。
フレッシュではあるが、薄暗い雰囲気のローズ香だ。
ミドルノート:ラズベリーとスモーキーウッディーが出る(1.5時間)
ラズベリーの甘さが出てきてミドルノートに入る。
ラズベリーブロッサムとなっているが、果実の香りを感じた。
トップでは薄暗くウエットな印象だったが、ここではスモーキーで乾いたウッディーさが出てきており、やや明るめで温かみのある香りに大きく変化する。
ラズベリー、ローズ、スモーキーウッディーが合わさり、ローズウッドのような匂いに感じた。
ラストノート:香調の変化は少ない(6時間)
香調の変化は殆どなく、強さだけが弱まっていく。
アンバーもパピルスも私の肌では出てくることなく、そのまま香りが消えていく。
ラストノートはじわじわと長く続くが、全体を通して見ても放香性は強くなく、日中にも夜にも使いやすい香水だと思う。
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バイレード/ローズオブノーマンズランドの解説と感想
イーディス・キャベルに捧げる香水
ローズ オブ ノー マンズ ランドとは、第一次世界大戦中に何千人もの命を救った看護婦達に、兵士達が付けたニックネームです。この香りは、無私の心や思いやりに敬意を表しています。
ーBYREDO公式ホームページより
香水名に出てくるNO MAN’S LANDとは「誰もいない土地」「不毛の地」といった意味。
また1918年には、最前線で兵士たちの治療に当たった赤十字ナース達を称えた歌「The Rose of No Man’s Land」(仏語原題は「La Rose sous les boulets(砲弾の下の薔薇)」)も作られました。
さて第一次世界大戦中に、敵味方関係なく傷病者を受け入れケアをした、一人の看護師がいました。
彼女の名はイーディス・キャベル。
赤十字病院の看護師として活躍しただけでなく、当時ドイツ軍の占領下にあるベルギーに取り残された、大勢の連合国兵士たちを秘密裏に脱出させることにも尽力しました。
そしてその事がドイツ軍に知られてしまい、彼女は処刑されるのです。
ローズオブノーマンズランドは、彼女が亡くなってから ちょうど100年後に登場した香水です。
先ほどNO MAN’S LANDの意味に触れましたが、軍事的な場面では「どの勢力にも占有されていない中間地帯」という意味でも使われる言葉。
いかなる勢力にも所属しない”NO MAN’S LAND”に咲く薔薇の香りは、人を区別することなく、誰にでも癒しの手を差し伸べたイーディス・キャベルに相応しいのではないでしょうか。
(余談ですが、彼女の名前が付いた「ミス・エディス・キャベル」という品種のバラもあります。)
ロンドンにある彼女の銅像には、こんな文言が刻まれています。
『愛国心だけでは十分ではない。私は誰に対しても憎しみも恨みも抱くまい。』
全ての人を愛し助けようとした博愛の看護師が、処刑前夜に残した言葉です。
土埃の中のローズ
それでは香りについて。
ローズオブノーマンズランドは「埃をかぶったローズ」のような匂いがします。
ラズベリーとローズの甘さ、ザラザラとした質感のスモーキーさ、乾いた木。
こういったものが混ざり、「土埃が舞う中に力強く咲く薔薇」をイメージする香りとなっているのです。
バイレードのローズ香水の中で比較するのなら、最もフレッシュで薔薇の香りがはっきり分かるのは「ヤングローズ」。
また個性的で香りの変化も楽しめるのは「リルフルール」、落ち着きや温もりを感じさせるのは「ローズオブノーマンズランド」と言えるかと思います。
個人的には「フレッシュで明るい薔薇の匂い」が好みなので、こちらはそこから外れているのですが、前の項目でお話しした香水の背景まで含めると大好きな香り。
イーディス・キャベルのように「自分の正しさを貫きたい時」に、お守りのように纏いたくなる香水です。
まとめ
今回は「バイレード/ローズオブノーマンズランド オードパルファン」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
ローズオブノーマンズランドは、土埃のような乾いたスモーキーさに覆われたローズの香水。
「博愛の精神」や「正しさを貫く強さ」を、香りと共に身に纏える香水です。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:
1.BYREDO公式ホームページ「ローズ オブ ノー マンズ ランド」https://www.byredo.com/ja_jp/rose-of-no-mans-land-eau-de-parfum-50ml
2.山口県立大学学術情報第2号〔看護栄養学部紀要〕2009年3月「看護基礎教育に必要とされる要素とは」木戸久美子 他/2009年