今回は「PARFUM SATORI(パルファン サトリ)夜の梅 オードパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
夜の梅は、薄暗い雰囲気の中で漂う酸味の強いフローラルが主役。ラストでは「乾いた木」と「石けん調の匂い」が優しく香ります。
「姿は見えずとも香りだけが漂う」ような、切ない慕情を連想させる香水です。
この記事はこんな方にオススメ!
・パルファンサトリ、夜の梅の香りについて詳しく知りたい
・梅花の香りが好き
・落ち着いたトーンのフローラル香水が欲しい
PARFUM SATORI(パルファン サトリ)夜の梅とは?
香水の基本情報
タイトル:Yoru no Ume Eau de parfum(ヨルノウメ オードパルファン)
ブランド:PARFUM SATORI(パルファンサトリ)
香調:フローラル、ウッディー
調香師:サトリ・オオサワ(大沢さとり)
発表:2002年
トップノート:クローブ、アプリコット
ミドルノート:紅梅、ローズアブソリュート、ミュゲ
ラストノート:白檀、ムスク、ウッディー、バルサム、シナモン
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4.5時間程度
放香性:★★☆☆☆+ 弱い~やや強い
夜の梅(ヨルノウメ)って、どんな香り?
トップノート:薄暗く、瑞々しいフローラル(20分)
瑞々しいフルーティーフローラルから始まる。
アプリコットの香りとのことだが、私の肌では洋ナシのような匂いがした。
しかし、とろみがあってジューシーな甘い香りではなく、水分多めでサラサラしている。
甘さ控えめで酸味が強い感じ。
そしてクローブの影響か、明るく単調なフルーティーではなく、癖があってやや暗い。
(特に付け始めから10分くらいは、私の肌ではビニール樹脂っぽさもあった。)
スパイシーでもウッディーでもないのだが、「梅の木の枝」の匂いが混ぜこまれているような香りだと思った。
ミドルノート:酸味の強いフローラル(40分)
どんどん酸味が強くなっていく。
梅の花ってこんなに酸味があっただろうか…と首をかしげるくらには酸っぱい。
香水名に引っ張られて「梅花の香り」だと思い込んでいる節があるのだが、一度先入観を払ってから嗅ぎ直してみると「ローズ+ローズヒップ(バラの実)」の香りが近いと感じた。
ここでもやはり「薄暗い雰囲気」は続いている。
ラストノート:石けん+乾いた木(3.5時間)
酸味が和らいでいき、石けんっぽい香りとウッディーな香りが淡く漂う。
落ち着いた甘さもあって、薄暗い雰囲気が明るくなってきたように感じた。
パルファンサトリらしく、全体を通して放香性は強くないが、ラストノートでは特に肌に寄り添うように穏やかに香る。
梅の咲く頃はもちろんのこと、酸味も強いので真夏にもさっぱり綺麗に纏えそう。
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パルファンサトリ/夜の梅の解説と感想
姿は見えず、その「香り」だけ
梅花の香りをテーマにした「Yoru no Ume(夜の梅)」。
こちらの香水は、酸味の強い爽やかなフローラルが薄暗い中漂うような香りがします。
日本で「花」といえば「桜」を指す言葉ですが、これは以前は「梅」を指していました。
お花見も桜ではなく梅を見ていたそうです。
日本の山に元々あった桜に対して、大陸から渡ってきた梅。
舶来物の花として珍重されていた梅ですが、平安初期の桓武天皇の頃には桜も愛でられるようになりました。
そんな背景もあるからか、私の中で桜は大衆から愛される「花」、梅は高貴な「花」というイメージがあります。
「夜の梅」というタイトルを聞いて真っ先に思い浮かべたのは、『何も見えない暗闇の中、梅の香りだけが漂っている』という情景。
それは、もう居なくなってしまった恋人の残した「香り」だけがふっと感じられた瞬間のようで、後ろ髪引かれる恋を思い出させます。
ブランドのホームページにも、こんな和歌が載っていました。
『ありつつも 君をば待たむ 打ち靡く わが黒髪に 霜の置くまで』万葉集 磐姫皇后
意味は「ずっとここに居て貴方を待ちましょう。長くたなびくこの黒髪に霜が降り、やがては白髪になる頃までも」。
他の女性に心を移した夫・仁徳天皇への情念を詠んだ歌です。
磐姫が夫を待つ家の庭にも、梅の香りが漂っていたことでしょう。
想いを募らせる「紅梅」の香水
さて、夜の梅に登場するのは「紅梅」の香り。
「色の紅梅、香りの白梅」なんて言葉もありますが、紅梅と白梅の香りには明らかに違いがあるそうです。
花王の研究によると「白梅はライトフローラル、紅梅はリッチなスパイシーフローラル、淡紅梅はパウダリーな甘さが強い」とのこと。
この香水の中ではあまりスパイシーな感じはありませんが、酸味が強く暗さを帯びた花の香りは、ホワイトフローラル系の華やかさや可憐さを持つ「白梅」より、「紅梅」の方がイメージに合いますね。
香りは進み、最後は「サンダルウッドの乾いた木の匂い」と「石けん調の甘い匂い」が穏やかに香ります。
それまでは薄暗い雰囲気だったものが、少しずつ明るくなっていきます。まるで「夜明け」のように。
薄暗い香りからスタートするので、ラストに向けてどんどん夜が更けて暗さが増すのかと予想していましたが、「なるほど。これは想い人を待ち焦がれ、ついには朝を迎える香りなのか…。」と思い直しました。
磐姫が夫への想いを募らせたように、切ない慕情を連想させる香水です。
まとめ
今回は「パルファンサトリ/夜の梅 オードパルファン」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
夜の梅は、薄暗い雰囲気と酸味の強いフローラル。
最後は乾いた木の香りと石けんのような甘さが合わさって、「夜明け」のような ほの明るい香りへと変化します。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:PARFUM SATORI公式ホームページ「夜の梅 -Yoru no Ume-」https://parfum-satori.com/?pid=16754518