今回は「HERMETICA(エルメティカ)レッドムーン オーデパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ピンクペッパーとサフランが香るレザー系の香水。
”レッドムーン”さながらに、ミステリアスで知的な印象を与える香りになっています。
この記事はこんな方にオススメ!
・エルメティカ、レッドムーンの香りについて詳しく知りたい
・レザー(革)の香りが好き
・ミステリアスな雰囲気のある香水が欲しい
HERMETICA(エルメティカ)レッドムーンとは?
香水の基本情報
タイトル:REDMOON(レッドムーン オーデパルファム)
ブランド:HERMETICA(エルメティカ)
香調:レザリー
調香師:フィリップ・パパレラ
発表:2020年
ノート:ペルー産ピンクペッパー、スミレの葉、ジャスミン、スズラン、マテリーフ、サフラン、ミルラ、ベチバー、シダー、アンバー
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:5時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
レッドムーンって、どんな香り?
トップノート:酸味+青さ+スパイシー(40分)
付けたてはフルーティーな酸味と、植物らしい青っぽさがある。
イメージ的にはアロエの皮を剥いた時のような、ちょっとヌメッとした感じ。(アロエはほぼ無臭だと思うけど。)
フルーティーな部分は、おそらくピンクペッパーが強く出ている。
また、植物的な匂いの部分は、サフランの金属味を帯びた塩素っぽい感じと、バイオレットリーフの青苦い感じ、そこに何やらカーネーション・ナデシコ系の甘スパイシーな花の香りも混じっているようだ。
なので、「植物らしい青い香り」と言ってもハーバルな感じではなく、ツンとくるような、漢方的なスパイシーさのある香りがした。
ミドルノート:レザー系、甘スパイシー(1.5時間)
ツンツン尖った部分がマイルドになり、バランス的には甘スパイシーな部分が大きくなる。
最初はかなりメンズ的な匂いだと思ったけれど、この辺りからは「ユニセックスど真ん中」という香りだ。
サフランの残り香(もうあまりツンツンしていない)がアンバーのベースに重なって、レザリーな匂いが続く。
ラストノート:ソース1に近い(3時間)
レザリーな香調のままに香りが薄れ、そこにシダーウッドの透明感ある木の香りが加わる。
ここまで来ると、ベースにある「ソース1」の香りそのものに近い。でもソース1ほどにはドライアンバーの辛い感じはないようだ。
全体を振り返ってみると、香り立ちはそこまで強くはないものの、なかなかロングラスティングな香水だった。
香調の変化はおだやかで、レーザー、ウッディー系の香り、また落ち着いた香りが好きな方におすすめかと思う。
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エルメティカ/レッドムーンの解説と感想
忌まわしの「レッドムーン」
エルメティカ「REDMOON(レッドムーン)」の香りは、2020年に「DARKOUD(ダークウード)」と共に登場した香り。
エルメティカの分類では、「Vertical Ambers(ヴァーティカル アンバーズ)」(=アンバー、バニラ、ウッドの温かみあるオリエンタル調)に所属しています。
香水タイトルである、REDMOON。
直訳すると「赤い月」となるのですが、これは皆既月食の時に観られる「赤銅色の満月」のことを指しています。
皆既月食は、太陽→地球→月と直線上に並ぶことにより、月が地球の影に隠れて見えなくなるという天体現象です。
地球の影に入ってしまったら全く見えなくなりそうなものですが、太陽光が地球の大気で屈折しうっすら月にあたるため、このような薄暗く赤い月=レッドムーンが生まれるのですね。
古来から、人々の夜は月と共にありました。
今のように夜に煌々と明かりが灯ることはなく、もっとずっと暗かったのです。そんな中、月明かりはとても大切なものだったはず。
身近にあって大切な月が、いきなり欠けたり見えなくなる「月食」は、大体どの文明にあっても「忌むべきもの」とされ、さらにレッドムーンなんて、血のように赤く染まってしまうのです。
レッドムーンは「穢れ」や「災い」の象徴とされ、「ブラッドムーン(血の月)」とも呼ばれるようになりました。
ミステリアスなレザーの香り
さて「レッドムーン」の説明はこれくらいにして、香水の話に戻りたいと思います。
前項でお話した通り「忌むべきもの」とされるレッドムーンですが、その反面、神秘的で超常的なイメージもありますよね。
良くも悪くも、「何かが起こりそう」な感じ。
香水レッドムーンは、この「何か起こりそうなミステリアスな雰囲気」を香りに落としこんでいます。
ピンクペッパーのフルーティーなスパイシーさと、サフランのメタリックなツンとした匂い。
ブランド的には「ピンクペッパーとベチバーのコンビネーションの香り」としているようなのですが、私はベチバーよりもサフランの方がキーになっているように感じました。
これらが、漢方的なスパイシーさを持って香ります。
全体的な香調としては、かなりレザーがしっかりしています。
私はレザーの香りがよく分からない(感じ取りにくい?)のですが、それでもレッドムーンについては「わお、めっちゃレザー!」と分かるくらいです。
父の職業上、革材や革製品が家の中に沢山ある子供時代だったのですが、レッドムーンのレザーは革製品として完成した物の匂い(新品のレザーバッグの中みたいな匂い)に近いと思いました。
革特有の野性味と知的でスマートな雰囲気を兼ね備えており、ハンサムな印象を与えるレザー香かと思います。
香水「レッドムーン」は、ブラッドムーンの持つ妖しい魅力と、鋭く光る知性をまといたい時に。
まとめ
今回は「エルメティカ/レッドムーン オーデパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
レッドムーンは、はっきりしたレザーの香り。
革特有のアニマリックさと、知的でハンサムな印象のある香水です。
「レッドムーン」という香水タイトルも素敵ですね!
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:HERMETICA公式ホームページ「REDMOON」https://hermetica.com/products/redmoon