今回は「HERMES（エルメス）イリスウキヨエ オードトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
イリスウキヨエは、アロマティックで瑞々しい花の香り。
アイリス香水のパウダリーな甘さはなく、雨に濡れた植物のようなウエットな香りが続きます。
当ページでは、イリスウキヨエの「基本的な情報」「香りの変化」「詳しい感想」などを掲載しています。
この記事はこんな方にオススメ！
・エルメス、イリスウキヨエの香りについて詳しく知りたい
・アイリスのパウダリーな甘さが苦手
・香水の名前やテーマに”日本”が出てくると嬉しい
HERMES（エルメス）エルメッセンス イリスウキヨエとは？
香水の基本情報
タイトル：IRIS UKIYOE Eau de Toiletto（イリスウキヨエ オードトワレ）
ブランド：HERMES（エルメス）
香調：アロマティック、フローラル
調香師：ジャン＝クロード・エレナ
発表：2010年
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ノート：アイリス（花）、オレンジブロッサム、マンダリン、ローズ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性：6時間程度
放香性：★★☆☆☆＋ 弱い～やや強い
エルメッセンス イリスウキヨエって、どんな香り？
トップノート：濡れ葉のグリーンさとネロリ（30分）
付け始めは雨に濡れた葉のような、フレッシュ・グリーンな香りが広がる。
そのすぐ後を追いかけるようにして、オレンジブロッサムのシトラスみを帯びた花の匂いも出てくる。
透明感やフレッシュさが強いので、オレンジブロッサムよりはネロリの方が近いかもしれない。
（同じビターオレンジの花から抽出されるが方法が違い、オレンジブロッサムの方が花の甘さが強く、ネロリの方がフレッシュなシトラス感が強い。）
ミドルノート：花の甘みが少し強くなる（1.5時間）
トップからミドルにかけての香りの変化は少ない。
グリーンさが落ち着き、香りがマイルドになってきたように思う。
トップではネロリっぽいなと思っていたが、少しずつオレンジブロッサムに傾いてきた（シトラスの酸味を加えた爽やかなジャスミン様）。
花粉っぽさもあって、アロマティックで透明感のある花の香りが続いていく。
ラストノート：アロマティックな香調のまま終わる（4時間）
ミドルからラストへの変化も少ない。
オレンジブロッサムの優しい花の甘さにアロマティックな透明感を加えた香りのまま、香り立ちが弱まっていく。
つけ始めから終わりまでずっと瑞々しい。
透明度の高い香りが続く、シングルノート様となっていた。
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イリスウキヨエの解説と感想
浮世絵から生まれた、アイリスの香水
エルメッセンスコレクションより、2010年に登場した「IRIS UKIYOE（イリスウキヨエ）」の香り。
UKIYOE…そう、浮世絵のことです。
調香師のジャン＝クロード・エレナ氏は浮世絵コレクターで親日家としても知られていますが、アイリスの花から「浮世絵」を連想し生まれたのがこちらの香水だそうです。
版画を集めるうちに、アイリスの花から『浮世絵』を連想するようになりました。日本の北斎や広重にヒントを得て、アイリスの花をテーマにした儚くも浮き立つような嬉遊曲（ディヴェルティスマン)が浮かびました。
これまで正当な評価を得てこなかったアイリスの花びらの香りを取り出すことで、従来の方法に挑戦し、新しいものを生み出そうとも思ったのです。
バラ、オレンジの花、マンダリンの間を揺らめく香りを印象画家の繊細なタッチで描くことで、デリケートでありながら存在感のあるフレグランスに仕上がりました。
ージャン＝クロード・エレナ（エルメスHPより）
嬉遊曲とは、貴族の食事や社交、祝賀といった場面でもてなしの為に演奏される、軽快で愉し気な雰囲気の楽曲のこと。
イリスウキヨエを付けると「ホテルのロビー等に置かれている巨大な花瓶に活けられた、ボリューミーな花の側を通り過ぎた時の匂い」を思い浮かべるのですが、そんな所は確かに嬉遊曲っぽいと言えるのかも。
オレンジの花の香りが主役
さて、イリスウキヨエは、エレナ氏らしい”シンプルさ”を大いに感じさせる香りです。
エレナ氏はご自身でも「私の香りはシンプルな”俳句”のようだ」と仰っていますが、こちらの香水では特にその傾向が強く感じられます。
そもそもアイリスは根から香料を抽出しますが、その香りは土っぽさを含んだパウダリーな甘みを持っています。
ところがイリスウキヨエは非常にウエットで瑞々しいフローラル…、アイリス香水っぽくはありません。
前項で「アイリスの花びらに着目した香り」だとご紹介しましたが、花からは香料が採れず匂いも薄いものの、根と似た芳香を持つそうです。
という事は やはりアイリスの花も、イリスウキヨエとは香りイメージが合致しない…。
では、この香水の主役は何なのか。
私は「オレンジの花」だと思います。
最初はネロリのような酸味や瑞々しさ、それがだんだんオレンジブロッサム様の花の優しい甘さに変化していって、淡くなり儚く消える。
そんな香りなのです。
イリスウキヨエは、雨に濡れる植物のようなアロマティックな花の香り。
「アイリス香水を探しています！」という方には勧めませんが、むしろ「アイリス香水のパウダリーさが苦手でして…」という方にはお勧めしたい一本です。
まとめ
今回は「エルメス／イリスウキヨエ オードトワレ」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
イリスウキヨエは、瑞々しく透明感の強い花の香りです。
アイリス特有のパウダリーさが無く、むしろオレンジの花が主役になっている香水かと思います。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考：HERMES公式ホームページ「オー ド トワレ 《イリス ウキヨエ》」https://www.hermes.com/jp/ja/product/%E3%82%AA%E3%83%BC-%E3%83%89-%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%AC-%E3%80%8A%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9-%E3%82%A6%E3%82%AD%E3%83%A8%E3%82%A8%E3%80%8B-V26518/
