2023年5月12日に、限定で発売される「JO MALONE LONDON(ジョーマローン ロンドン)/The Highlands(ザ ハイランズ コレクション)」、4種類の香り。
今回は「ワイルド アキレア」「ハイランド ヘザー」「メランコリー シスル」「マロウ オン ザ ムーア」の4種類を実際に試した感想と、香水の基本情報について、まとめてご紹介したいと思います!
JO MALONE(ジョーマローン)ザ ハイランズ コレクションとは?
JO MALONE LONDONでは毎年、英国をテーマにした限定の香り「ブリットコレクション」を発売しています。
2023年はハイランド地方の自然がテーマ。
「The Highlands(ザ ハイランズ コレクション)」として、以下の4つの香りが登場しました。
Wild Achillea(ワイルド アキレア)
Highland Heather(ハイランド ヘザー)
Melancholy Thistle(メランコリー シスル)
Mallow On The Moor(マロウ オン ザ ムーア)
ちなみに、過去3年のブリットコレクションは表のとおり。
コレクション名 | テーマ | |
---|---|---|
2020年 | ラベンダー ランド (Lavender land) | イギリスのアイコニックな花、ラベンダー |
2021年 | マーマレード コレクション (Marmalade Collection) | イギリスで広く愛されるマーマレード |
2022年 | ワイルド スイミング (Wild Swimming) | イギリス諸島の水辺 |
スコットランド北部に位置する山地、ハイランド地方。
ハイランド地方は、多数の山・川・湖・フィヨルドなどが存在する、自然豊かな土地です。
これらの美しい自然の景色・香りから生み出されたのが、ザハイランズコレクションなのですね。
表現したいハイランド地方のイメージは、常に頭の中にありました。霧の立ち込めた荒野に紫色のヘザーの花々が咲き乱れ、古城の壁を野草がつたう様子。スコットランドの力強く美しい、アザミの花。
ーJO MALONEフレグランスディレクター セリーヌ・ルー
元々はスコットランドの古城に着目していたようですが、それだけではなく雄大な自然に生きる「野草」からもインスピレーションを受け、香りを作り上げていったそうです。
実際にザハイランズコレクションを纏ってみると、4種類とも、自然の草花を感じさせる軽やかな香りになっています。
(マロウ オン ザ ムーアだけは、少し甘めですが。)
それぞれの詳しい香りについては、次の項目でお伝えしていきますね!
ジョーマローン/ザ ハイランズ コレクションの感想と口コミ
ワイルド アキレア/コロン
香水の基本情報
タイトル:Wild Achillea Cologne(ワイルド アキレア コロン)
香調:ハーバル、シトラス
調香師:ルイーズ・ターナー、ヤン・ヴァスニエ
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自然が息づくあらゆる敷地に自生する黄金色に咲く野生のアキレア。輝くベルガモットにネトルのピリッとした刺激が絡み合い明るい印象を与えます。
やわらかなホワイト ムスクのベースがグリーン系の香りとの調和を奏でます。ーJO MALONE公式サイトより
トップノート:ワイルドアキレア、ベルガモット
ミドルノート:ネトル
ラストノート:ベチバー、ホワイトムスク
ざっくりレビュー/どんな香り?
こちらは2019年のブリットコレクション「ワイルドフラワー&ウィーズ」より登場した、「ネトル&ワイルドアチリー コロン」の香りが再版されたものになります。
まずは、シトラス果汁の酸味と透明感あるハーバルな香りからスタート。
晴天の野原にダイブして、鼻先をかすめる草の青い匂いがします。
30分ほどすると香りが変化してきますが、大きく変わるわけではありません。
草の葉の青く清々しい香りはそのままに、ウォーターリリーのような瑞々しいフローラルが重なっているようです。
ちょっと”瓜っぽさ”も感じます。
そして、香調の変化は少ないまま、香りが薄れていきドライダウンする流れです。
私の肌ではラストノートでもムスキーには寄らず、「雨に濡れた土と草」といった香りでフェイドアウトしました。
最後までハーバルな印象です。
こちらの香りが、4種類の中では最も香り立ちが軽いです。
かなりさっぱりしているので、夏に似合いそう。
香りの持続は4,5時間程度、ややメンズ寄りのユニセックスの香りという印象でした。
【追記】
付けている時にムスクは分からなかったのですが、お風呂に入っても少し肌に残っていて、その香りはムスクがはっきりしていました。
ハイランド ヘザー/コロン
香水の基本情報
タイトル:Highland Heather Cologne(ハイランド ヘザー コロン)
香調:フローラル、ウッディー
調香師:マリー・サラマーニュ
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(抜粋)ヘザーの花が満開になると丘の斜面が紫色に染まり、希少なはちみつを作るためにハチをも惹きつける様子に魅了されました。ヘザーはウッディな香りとフローラルの香りのどちらも持ち合わせています。私たちはここにサイプレスやベチバーを加え、自然らしさを表現しました。
ーマリー・サラマーニュ、JO MALONE公式サイトより
トップノート:サイプレス
ミドルノート:ヘザー、イングリッシュラベンダー
ラストノート:アンバー、ベチバー
ざっくりレビュー/どんな香り?
トップはサイプレスとのことなので、分かりやすいウッディーノートかと予想していましたが、思いのほか甘さが強かったです。
「木の甘さ」というよりは、もはやフルーティーな香り。ラズベリーのような甘さに感じました。
トップでは、少しだけユーカリのような清涼感も含まれているようです。
付け始めから45分程すると、香りが緩やかに変化してきました。
ミドルは、甘酸っぱくハーバルなフローラルノートが展開します。
何の花の香りかな~と考えていたのですが…。
サクラ、ローズ、ゼラニウムのミックスが近いかと思います。
軽やかで、ほんのり甘い香りです。
私の肌では、ラベンダーは香りませんでした。
そしてこの辺りから奥の方に、ドライアンバー系の辛さがチラチラ見え始めます。
最後は、ウッディーノートでドライダウン。
ミドルまでのフルーティーさやフローラル感は残しつつも、ドライアンバー系の辛味を持つウッディーノートが主役です。
「あっさり軽い木の香り」といった感じ。
私の肌では、こちらが最も香り持ちが短く、2,3時間で消えてしまいました。
ミドルの辺りかな?は、「バイレード/モハーヴェゴースト」と似ている時間帯があります。
ややレディース寄り、ユニセックスの香りかと思います。
メランコリー シスル/コロン
香水の基本情報
タイトル:Melancholy Thistle Cologne(メランコリー シスル コロン)
香調:ウッディー
調香師:アン・フリッポ
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(抜粋)ハイランド地方に存在するそのままの自然を称える香り。アザミの香りに様々な自然の香りを加え、ウッディでグリーンに溢れるフレグランスを完成させました。
ーアン・フリッポ、JO MALONE公式サイトより
トップノート:シスル、ナチュラルブルーム
ミドルノート:イングリッシュアイビー
ラストノート:クールウッド、パチョリ
ざっくりレビュー/どんな香り?
スパイシー×ウッディーな香りからスタートします。
シスル(アザミ)の香りとのことですが、フローラルではなく、シナモンを合わせた軽いウッディーノートのように思えました。
(野アザミはスコットランドの国花ですね!)
30分ほどで香りが変化してきます。
シナモンのスパイシーさだと感じていた部分が、「掘り起こしたばかりの土」のような”えぐみ”を持ったウッディーさに変わりました。
他のアイビー(ツタ)系の香水と比べると、葉っぱの持つ「青さ」は少ないように思います。
「ウッディー」と「土っぽさ」を強く感じるアイビーに仕上がっているようでした。
最後は、「塩っぽいウッディー」でドライダウンに向かいます。
クールウッドとの記載がありますが、冷たい香りではありません。
金属的な、叩いたらキンキン高音を鳴らす「塩の結晶」のような香りではなく、「潮風にじっくり晒された木材」のような柔らかさがあります。
最後まで残ったのは、シダー系の透明感ある木の香りでした。
メンズ寄りの香調。ライトな拡散力ですが持続はまずまずで、4時間程はしっかり香っていました。
マロウ オン ザ ムーア/コロン
香水の基本情報
タイトル:Mallow On The Moor Cologne(マロウ オン ザ ムーア コロン)
香調:フローラル
調香師:ヤン・ヴァスニエ
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(抜粋)マロウの紫色の花を想起させるような柔らかや穏やかさを作り出すことが最優先でした。トップノートに花びらを表現するようなフレッシュさを残すため、スミレの葉を使用。ハートノートでは柔らかさを模索し、オリスやヘリオトロープを含めました。荒野の土や泥の雰囲気を表現するため、ベースにはローステッド オークをブレンドしました。
ーヤン・ヴァスニエ、JO MALONE公式サイトより
トップノート:バイオレットリーフ
ミドルノート:マロウ、オリス
ラストノート:ヘリオトロープ、ローステッドオーク
ざっくりレビュー/どんな香り?
草っぽい青さと甘い香りが重なる、コントラスト強めのスタート。
10分もすると甘さの方が強くなり、全体的に甘い香りへと統合されていきます。
甘さの源は、ヘリオトロープが強いです。
付け始めから15分ほどで、ミドルに入ります。
「草の葉の青さと酸味」を少し、そこに「赤いベリーの甘酸っぱさ」と「ヘリオトロープの杏仁豆腐のような甘さ」を足した感じ。
「野生の木の実を生で齧ったようなえぐみ」も少しあるようです。
この辺りの香りが、この香水の主題かな。
これが、小一時間続きます。
そして、うっとりするような花の甘さでドライダウンに向かいます。
何の花か分かりにくいのですが、藤や水仙の甘さにヘリオトロープの杏仁っぽさを足した感じです。
ややパウダリーでクリーミーな仕上がり。
スモーキーなウッディーノートが出てくるとのことですが、私の肌ではよく分かりませんでした。
ぎり、グルマンではなく、フローラルに留まっているような、甘さの強い香りです。
個人的にこのラストノートはかなり好みで、私がハチなら間違いなくフラフラ吸い寄せられて行くでしょう。
4種類の中で、こちらが最も香り立ちが豊かでした。
それでも、5段階で表現するなら3くらいの強さ。
持続性も4種の中では最も長く、5,6時間程度は楽しめました。
甘さもあるけどそこまで重くはないので、夏でも大丈夫そうです。
レディース寄りの香調に感じました。
まとめ
今回は「JO MALONE LONDON(ジョーマローン ロンドン)/The Highlands(ザ ハイランズ コレクション)」の4種類の香りについてご紹介しました。
4種類とも割と軽やかな香りなので、春夏に向いているな~という印象を受けました。
ジョーマローンらしく、重ね付けにも使い勝手が良さそうです。
私の好みとしては、レイヤードの使いまわしの良さを考えるなら「ワイルドアキレア」、単独で使うことを重視するなら「マロウオンザムーア」を選ぶかな~と思います。
あと、こちらのシリーズはボトルデザインが激刺さりしているのですが、ボトルで選ぶのなら「メランコリーシスル」が好み。
ジョーマローン公式サイトでサンプルを販売してくださっていますので、気になる方は是非お試しを。
(店頭は混み合うでしょうしね~。)
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
参考:JO MALONE公式ホームページ「ザ ハイランズ コレクション」https://www.jomalone.jp/british-collection