【ビュリー】ヴァルパンソンの浴女の香水レビュー|濡肌のムスク

今回は「OFFICINE UNIVERSELLE BULY(オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー)ヴァルパンソンの浴女 オー トリプル」について、どんな香りかご紹介したいと思います。

 

ヴァルパンソンの浴女は、「温泉や爽やかラベンダーの香り→パウダリーで清楚なアイリス→お風呂上がりの湿った肌から匂い立つようなムスク」と変化していく香水です。

全体的には、石けん調の清潔感ある香りが続きます。

 

この記事はこんな方にオススメ!

・ビュリー、ヴァルパンソンの浴女の香りについて詳しく知りたい

・お風呂のような香りが好き

・石けん系の匂いでも、甘すぎずすっきりした香りを探している

ビュリーの香水、レビュー一覧はこちらからどうぞ!(他のルーブルコレクションも載ってます。)

BULY(ビュリー)ヴァルパンソンの浴女とは?

香水の基本情報

タイトル:La Baigneuse(ヴァルパンソンの浴女 オー トリプル)

ブランド:OFFICINE UNIVERSELLE BULY(オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー)

香調:ハーバル、ソーピー

調香師:ダニエラ・アンドリエ

発表:2019年

販売終了:2023年

ノート:オレンジフラワー、レモングラス、ラベンダー、アイリス、パチョリ、ムスク、インセンス

持続性、強さ、香りのチャート

持続性:3.5時間程度

放香性:★★☆☆☆ 弱い

ビュリー ヴァルパンソンの浴女、香水イメージチャート

ヴァルパンソンの浴女(ルーブル コレクション)って、どんな香り?

【ビュリー ヴァルパンソンの浴女 オー トリプル】香水レビュー

トップノート:爽やかハーバル・ラベンダー(20分)

付けてまず思ったのは、「あっ。温泉の匂いがする!」ということ。温泉宿で大浴場に入った瞬間の匂いだ。

硫黄っぽい臭いということではなく、濡れた岩石や立ち込める湯気の香りが頭に浮かぶ。

2、3分すると、湯気の先にラベンダーの香りが見えてきた。そばにはレモングラスの爽やかな植物っぽい香りもある。

このあたりの時間の主役は、この爽やかラベンダーの香りのようだ。

ミドルノート:清楚なアイリス(30分)

次の主役はアイリスの香りだ。パウダリーで清楚な雰囲気のお花の香りが広がる。

最初にあったシトラス系の爽やかさはもうないが、ラベンダーはまだ少し残っている。

そしてアイリスの背後にパチョリのジメっとした土っぽい匂いが、ちらちらっと見え隠れしているようだ。

シングルノートとはいえ、割と大きく変化していく香水だ。

ラストノート:濡れた肌のムスク(2.5時間)

もう一段階、主役が変わる。最後は「ムスク」だ。

柔らかい石けん様のムスクに、粉っぽいお香の匂い。そこにパチョリの暗い匂いも、ほんの一滴だけ加えたような香りになっている。

主役はムスクとはいえ、「THE・清潔感!」とグイグイ押してくる感じではなく、濡れた肌から匂い立つようなセンシュアルな雰囲気がある。

同じルーブルコラボの「ニンフとさそり」のムスクに似ていると思った。


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ビュリー/ヴァルパンソンの浴女の解説と感想

「静寂」で「優雅」、入浴の一幕を切り取った香り

©ルーブル美術館「La baigneuse, dite Baigneuse de Valpinçon」https://collections.louvre.fr/en/ark:/53355/cl010066528

2019年に登場したビュリー×ルーブル美術館コラボコレクションの一つ、「La Baigneuse(ヴァルパンソンの浴女)」の香り。

調香はダニエラ・アンドリエ氏となっています。

 

8人の調香師が好きな美術品を選んで香りに仕立てた本コレクションですが、彼女が選んだのはフランスの画家「ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル」が1808年に描いた、「ヴァルパンソンの浴女(浴女)」です。

 

ダニエラ・アンドリエ氏はこのように話しています。

(抜粋)この作品は女性を後ろから見た姿であることに気づくでしょう。品のないものではなく、優雅な入浴の瞬間を捉え、むしろ官能的な印象を与えます。柔らかでしっとりとした肌の質感、滑らかな水面、リネンの香り。調香師という仕事は、色、光、質感を香りに翻訳する「翻訳家」だと考えています。私の作った香りは「女性」という概念を表現したものになったかもしれません。

ーダニエラ・アンドリエ

 

私はこの絵を初めて見た時に、「静寂さ」を感じました。そこにあるはずの、水の音すらもミュートされています。

音のない世界で女性の肌やリネン、まとわりつく湯気の「香り」だけが届いたのが、「ヴァルパンソンの浴女」という香水なのだと思いました。

お風呂上り、浴衣で涼む人

さて、肝心の香りについて。

全体の香調としては、石けんのような清潔感ある香りが続くのですが、ハーバル&シトラス&ラベンダーから始まりパチョリのジメっとした香りに進む形なので、フゼアの要素もあるのだと思います。

パチョリ系の暗い香りはほんの少しなので、嗅いですぐに「はい!フゼアー!」とは分からないし、メンズライクな香りにもなっていません。

ただし、フゼアの持つハーバルで半透明な清潔感は、こちらの香水でも存分に味わうことができます。

 

最初の方は、シトラス系やラベンダーの爽やかハーバルな香りです。そこから、温もりある石けん系の香りに落ちつく形。

出だしで「明るく軽快」に見せておいて、放物線の下降曲線を描くように香りが急カーブして着地する感じは、ダニエラ・アンドリエさんらしいなと思いました。

そのような変化はあれど、一貫して「お風呂場」っぽい匂いになっており、付けやすい香水かと思います。

 

この香水を付けると、「夏の縁側で、お風呂上がりの浴衣姿の女性が夕涼みしている」シーンが頭に浮かびます。

団扇でゆったり仰いでいるのですが、その風に含まれる肌の匂い、それが「ヴァルパンソンの浴女」の香りだと思います。

清潔感もあって健全なのだけど、どこか色気がある。

そんなところが、この絵画にぴったりの香りになっているなと感じました。

まとめ

今回は「ビュリー/ヴァルパンソンの浴女 オー トリプル」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。

ヴァルパンソンの浴女は、温泉の香りやお風呂上りのような香り。

清潔感のある石けん調の香りが続きますが、付け始めからドライダウンするまでに割と香りが変化します。

私の中では、こちらの香水と「ニンフとさそり」はニコイチのイメージです。(詳しくは、次回「ニンフとさそり」のレビューにて)

香り選びの参考になれば嬉しいです♪

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参考:OFFICINE UNIVERSELLE BULY公式ホームページ「オー・トリプル『ヴァルパンソンの浴女』」https://www.buly1803.com/jp/louvre/25740-eau-triple-la-baigneuse.html

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