今回は「香水の濃度」に関するお話です。
香水は、「濃度」によっても種類が分かれているんです。
このページでは「賦香率って何だろう?」「香水の濃度による種類分け・その特徴」「『EDP』や『EDT』ってなんの略?」といった内容をお話ししていきたいと思います。
香水の濃度、「賦香率」とは?
香水はアルコールと水に香料を溶かし込んであるのですが、この香料の濃度のことを「賦香率(ふこうりつ)」と言います。
★「香水って何?」についてはコチラをどうぞ!
「香水」とよく似た言葉で「フレグランス」や「アロマ」というのがありますが、これらの違いはご存じでしょうか?「香水=フレグランス」として使っている方も多いかと思いますが、この二つは厳密に言うとちょっと意味が違います。また、「ア[…]
「賦香率が高い」ということは「香料濃度が高い」ことを意味しますが、キツイ香りになるわけではありません。
香りが「濃い」というよりは、「濃密」で「芳醇」なイメージ。
まるで熟成させたウィスキーのように、柔らかい香り方をします。
逆に「賦香率が低い」香水は、「香料濃度が低い」=「エタノールの割合が高い」ということになり、揮発性・拡散性に優れています。
以下の項目で、賦香率の違いによる分類と、それぞれの特徴をご紹介していきますね。
香水の濃度による種類の違い
このページでは、一般的に売られている4種類をご紹介します。
賦香率の目安は文献によって記載が様々ですが、本記事では調香師の新間美也さんの書籍を参考にしています。
★この本です。香水の知識や、オリジナル香水の作り方について詳しく書かれています。
-AD-
パルファン(パルファム、P)とは?特徴は?
パルファンは、最も賦香率が高い(濃い)香水の種類です。
フランス語では「Parfum」です。略語で表すときは「P」と書きます。
「パルファン」や「パルファム」と呼びますが、どちらも意味は同じです。
香料濃度は20~30%程度、香りの持続時間は6時間以上が目安となります。
肌の側でゆったり漂うように、穏やかに・長く香るのがパルファンの特徴です。
パルファンは、高価なものが多いです。
★オススメの香水の付け方はコチラ↓
香水の付け方って人それぞれですよね~。今回は、私の香水の付け方についてご紹介します。 私は基本的に「あなた香水くさくってよ!」と言われるのを恐れておりますので、控えめに使っている(つもり)です。ですので、「[…]
オードパルファン(オードパルファム、EDP)とは?特徴は?
オードパルファンは、パルファンの次に賦香率が高い(濃い)香水の種類です。
フランス語では「Eau de Parfum」です。略語で表すときは「EDP」と書きます。
「オードパルファン」や「オードパルファム」と呼びますが、どちらも意味は同じです。
香料濃度は10~20%程度、香りの持続時間は5時間くらいが目安となります。
オードパルファンは、パルファンに準ずる香りの豊かさ・まろやかさと、持続性があります。
パルファンに比べると、手頃な価格で買うことができます。
オードトワレ(EDT)とは?特徴は?
オードトワレは、オードパルファンの次に賦香率が高い(濃い)香水の種類です。
フランス語では「Eau de Toilette」です。略語で表すときは「EDT」と書きます。
香料濃度は5~10%程度、香りの持続時間は3時間くらいが目安となります。
オードトワレになると、香りに軽やかさを感じるものが多いです。
持続時間も短いので、「午前中と午後から別の香りに付け替える」といった楽しみ方も可能です。
オーデコロン(EDC)とは?特徴は?
オーデコロンは、最も賦香率が低い(薄い)香水の種類です。
フランス語では「Eau de Cologne」です。略語で表すときは「EDC」と書きます。
香料濃度は2~5%程度、香りの持続時間は1時間くらいが目安となります。
オーデコロンの特徴は、とても軽やかな付け心地にあります。
香りの変化を時間をかけて楽しむというよりは、気分転換したいときに手軽に短時間だけ楽しむような使い方がオススメです。
さっぱりした香調のものが多いです。
まとめ
今回の話をまとめると…
✓ 香料の濃度のことを「賦香率」という
✓ 賦香率の高い順に、パルファン・オードパルファン・オードトワレ・オーデコロンに分かれている
✓ 濃度によって、香水の香り方は違う
このページでは、それぞれの賦香率の目安を載せていますが、これはブランドによっても様々です。
リラナパフュームのように、すんごく濃い「オードパルファム」もあります。
今回はマレーシアの香水メゾン、「Rirana Parfume(リラナパフューム)」についてご紹介したいと思います。リラナパフュームは、2017年に設立された、比較的新しいニッチフレグランスのブランドです。 […]
ですが、一つの目安として知っておくと、香水選びの際にきっと役に立つと思います。
香水ライフにお役立てくださいますと幸いです。
参考:アロマ調香レッスン/新間美也/2021年/原書房