今回は「香水の香りの変化」についてのお話です。
香水を選ぶときに、「付けたての香りは好きだったのに、数時間後には匂いが変わっちゃった…。」という経験をしたことはないでしょうか?
そこでこのページでは、「香水の匂いが変わる理由」「香りのピラミッドって?」「トップノート・ミドルノート・ラストノートとは?」についてお話していきたいと思います。
なぜ香水の匂いが変わる?こんな理由だった!
香水は沢山の香料を組み合わせて、一つのまとまりある香りを作り上げています。
そしてその香料一つ一つは、それぞれ香りが消えるスピードが違うんです。
★香りの持続力と香調の関係はこちらに載っています。
香水を使い始めると、「~系」という言葉を耳にすることが増えると思います。たゆたフルーツ系、フローラル系、シプレ系…みたいな 今回は、「香水の『~系』って何だろう?」というお話です。~系の[…]
例えばオレンジなどのシトラス系の香料はインパクトは強いですが香りは消えやすく、逆にベンゾインなどの樹脂系の香料はインパクトは少ないですが香りが長く続きます。
ジャスミンなどのフローラル系は、その中間くらいのインパクトと持続力です。
では、オレンジ・ジャスミン・ベンゾインを組み合わせたら、どうなるでしょうか?
まず最もインパクトの強いオレンジが香り、それが消えるとジャスミンが出てきます。
そしてそれも消えると最後にベンゾインが残る、そんな香り方をするんですね。
単純に3つの香料で説明しましたが、実際の香水ではこれが何層にも重なっています。
付け始めから時間の経過とともに、まるでマトリョーシカを1枚ずつ開いていくように、その時々で見えている香りが変わっていくんです。
これが「香水の匂いが変わっていく理由」だったんですね!
香りのピラミッドとは?
香水の説明などで、ピラミッド型(三角形)の表示を見たことはありませんか?
これを「香りのピラミッド」と言います。
こういうのです↓(画像、ちょっと適当に作りすぎたかもしれない…ごめんなさいw)
だいたい3層に分けて書いてあるのですが、上の方から順に香りが変化していきます。
上の例だと「オレンジ・ベルガモットのシトラス系の香り」から「ローズ・ジャスミンのフローラル」に変化して、最後は「ベンゾイン・バニラの甘い香り」になるという風に読み取ることができます。
香水のトップノート・ミドルノート・ラストノートとは?
「香りのピラミッド」でも登場する「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」について、簡単に説明したいと思います。
トップ・ミドル・ラストと3つの区分に分かれていますが、それぞれの中でも刻一刻と、香りはグラデーション的に変化していきますよ。
トップノートとは?特徴は?
香水のトップノートとは、付け始めから30分くらいの間の香りのことです。
持続が短く、インパクトの強い香りで構成されているのが特徴です。
ミドルノートとは?特徴は?
香水のミドルノートとは、トップノートの後、1、2時間ほど続く香りのことです。
持続もインパクトも中程度の香りで構成されています。
ミドルノートが、その香水の主題となる重要な部分になっています。
ラストノートとは?特徴は?
香水のラストノートとは、ミドルノートの後~消えるまでの香りのことです。
持続は長く、インパクトは少ない香りで構成されています。
書籍によっては、「ラストノート」と「ドライダウン」または「残り香」は同じものだと説明されていますが、私はこれらは別物として理解しています。
●ラストノート
ミドルノートが終わってから、匂いが消えるまでの時間帯の香り。
●ドライダウン
香りが変化していって、「もうこれ以上は変化しない」となった終着点の香り。
●残り香
香りが殆ど消えていて、付けたあたりに鼻を近づけた時に薄く感じる程度の香り。
まとめ
今回の話をまとめると…
✓ 香水の香りが時間によって変わるのは、異なる持続力を持つ香料が組み合わさっているから
✓ 香りのピラミッドでは、上から下に向けて香りが変化する
✓ トップノート・ミドルノート・ラストノートでは、使われている香りの持続力・インパクトが違う
✓ それぞれの区分の中でも、香りは刻一刻とグラデーション的に変わっていく
例え「シングルノート」と謳っている香水であっても、付け始めから消えるまでの時間の流れの中で、香りはどんどん変化していきます。
ですので、香水選びの際には付け始めのトップノートだけではなく、最後の香りまで確認することがとても大切ですよ!
香水ライフにお役立てくださいますと幸いです。