今回は「DIOR(ディオール)プワゾン オードゥトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
プワゾンは、チューベローズをメインに据えて、ベリーやスパイスを上層に、バニラ・杏仁豆腐系の甘さを下層に重ねた香りです。
トップからラストまで、これらがバランスを変えながら三位一体となって香り続けます。
この記事はこんな方にオススメ!
・ディオール、プワゾンの香りについて詳しく知りたい
・歴史のある香り、ロングセラーの香りに興味がある
・華やかな香り、官能的な香りが好き
DIOR(ディオール)プワゾン オードゥトワレとは?
香水の基本情報
タイトル:POISON Eau de Toilette(プワゾン オードゥトワレ)
ブランド:CHRISTIAN DIOR(クリスチャン・ディオール)
香調:フローラル
調香師:エドゥアール・フレシエ
発表:1985年
-AD-
【訳あり】 クリスチャンディオール プワゾン EDT オードトワレ SP 50ml 【箱不良】 香水 CHRISTIAN DIOR 【あす楽】 |
トップノート:プラム、ワイルドベリー、コリアンダー、アニス、ブラジル産ローズウッド
ミドルノート:チューベローズ、ジャスミン、カーネーション、ローズ、オレンジブロッサム、オポポナックス、シナモン、フランキンセンス、ホワイトハニー
ラストノート:ヘリオトロープ、バニラ、シダーウッド、ムスク、サンダルウッド、アンバー、ベチバー
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:5時間程度
放香性:★★★★☆ 強い
プワゾン オードゥトワレって、どんな香り?
トップノート:ベリーが主役(30分)
甘いベリーの香りから始まる。ベリーの後ろには、チューベローズの官能的な花の香り。
トップでは可愛い雰囲気になりがちなベリーが主役となっているが、爽やかさやピュアな甘酸っぱさはなく、すでに色っぽい。
この色気は背後に控えるホワイトフローラルの花の甘さと、スパイシーな香りが混じったことによって生まれているのではないかと思う。
スパイシーな部分はコリアンダー・アニスが含まれているとのことだが、私は「木の辛味にも似たホワイトペッパー」のような香りだと感じた。
ミドルノート:甘いホワイトフローラル(2時間)
甘いホワイトフローラルが主役となる。
スパイシーさはカーネーションが引き継いでいるようだが、こちらは主張控えめ。
代わりに、バニラ・杏仁豆腐系の甘さがベースに出てくる。
これが花の甘みと混じるが、コテコテの甘さになるのではなく、スパイシーさが香りを引き締めている形。
なので、しな垂れかかるようなセクシーさではなく、「勝気で高飛車な人物が放つ、クールな色気」といった印象を抱いた。
ラストノート:香調の変化は少ない(2.5時間)
香調の変化はあまりないまま香りが淡くなり、フェイドアウトしていった。
トップから振り返ってみても、香りの変化は少なめ。
終始、「フルーツの香り」とパッケージに書かれた香り玉(って分かるだろうか…)やチューインガムのような、人工的なニュアンスを含んだ香りが続いた。
女性向き、華やかな香りだと思う。
▼▼ サンプルで試したい方・AD ▼▼
ディオール/プワゾンEDTの解説と感想
歴史に名を刻んだ香水、プワゾン
1985年に登場したDior「POISON(プワゾン)」の香り。
本ページでは、現行品のトワレでのレビューをご紹介しています。
80年代の初頭、米国におけるディオールのフレグランス部門の売り上げは芳しくなく、起死回生を図るため当時のCEO、モーリス・ロジェが打ち出したのが「プワゾン」という香水です。
「POISON=毒」という物々しい名前、媚薬のような大胆なチューベローズの香り。
この衝撃的な香水は瞬く間に世界中で人気を博し、それと同時に「あまりにも官能的すぎる」と物議をかもした香りでもあります。
ニューヨークの高級レストランで「No,Smorking」の横に「No,Poison」という張り紙が出されたというのは有名な話ですね。
1980年代といえば、オイルショックやベトナム戦争などで疲弊した世界経済が回復していった時代。
日本では、プワゾン発売と同年の85年プラザ合意以降、バブル景気に突入していく時代です。
男女雇用機会均等法の制定(1986年)や好景気が追い風となり、女性の社会進出が進んだのもこの頃。
プワゾンは日本の女性たちに売れに売れたのですが、このような時代背景と力強いネーミング・香りが、当時の”強い女性”像とマッチしたからという理由もあったのです。
バランスが良く、意外と難しい香りではない
さて、肝心の香りについて。
この香水の主役はチューベローズの香りです。
チューベローズを真ん中に据えて、それを覆うようにベリーの香り、さらにその上にホワイトペッパーのようなスパイスをパラパラと振りかけている感じ。
チューベローズを支える土台の部分は、バニラ・杏仁豆腐系の甘さと樹脂系の甘さが担っています。
「上層(スパイスとベリー)、中層(ホワイトフローラル)、下層(甘さ)がバランスを変えながら、トップからラストまで香っている」というのが、ざっくりとしたプワゾンの感想です。
でもそのバランスの取り方が絶妙で、ベリーがしっかり出てくる時間帯でも”可愛く”転びすぎない。
甘さがしっかり出てきていても、ベタベタとくどくはならない。
トップからラストまで、どこを切り取ってもバランスが良いなと感じます。
個人的にはpoisonの名前に相応しく、もっと突き抜けてアンバランスな香りでも良いのになぁと思うくらい。
結構好みが分かれる香水のようですが、私はそこまで難しい香りだとは感じません。
10代の方が付けるには色気が強すぎるかなと思いますが、20代以降なら十分似合いそう。
色気と言っても「むんむんと立ち込める艶っぽさ」というよりは、どこか高慢で気が強そうなイメージ。
”性格に難あり”なのに目が離せないような類の魅力です。
そういった意味では、「纏う人のキャラクターを選びそう」ではあります。
トワレということもあり、身構える程の濃厚さもありません。
ただし、やはりオフィス・学校には向かないと思います。(「No,Poison」と張り紙されちゃうかも。)
お休みの日やオフの時向けの香りにオススメです。
まとめ
今回は「ディオール/プワゾン オードゥトワレ」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
プワゾンは、チューベローズの華やかなフローラルが主役の香水です。
それを覆うようなベリーとスパイスの香りがあり、ベースにはバニラ-杏仁豆腐系の甘さを感じることが出来ます。
「バブル時代の香り」「官能的な香り」というイメージが強いですが、特別に付け難い香水ではありません。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
★「ロングセラーの香り」が好きな方はこちらの記事もオススメです。
今回は「diptyque(ディプティック)ロー オードトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 ローは、60年代に発売された、ディプティック最初のフレグランス。スパイスのツンとした香りから始ま[…]
参考:DIOR公式ホームページ「プワゾン オードゥ トワレ」https://www.dior.com/ja_jp/beauty/products/Y0063201-%E3%83%97%E3%83%AF%E3%82%BE%E3%83%B3-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A5-%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%AC-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A5-%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%AC