今回は「PARFUM SATORI（パルファン サトリ）合歓・ネム オードパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ネムは、すっきりしたフルーティーさと少しのパウダリーさ、そしてクリーンなムスクが重なる軽やかな香水です。
可憐でありながら「ふふふ」と静かに笑っているような、たおやかな大人の女性を思わせる香りです。
この記事はこんな方にオススメ！
・パルファンサトリ、ネムの香りについて詳しく知りたい
・軽やかな優しいフローラルが好き
・シャンプーっぽい香りが好き
PARFUM SATORI（パルファン サトリ）合歓（ネム）とは？
香水の基本情報
タイトル：Nemu Eau de parfum（ネム オードパルファン）
ブランド：PARFUM SATORI（パルファンサトリ）
香調：フルーティー、フローラル
調香師：サトリ・オオサワ（大沢さとり）
発表：2008年
トップノート：グレープフルーツ、ジンジャー、ライチ
ミドルノート：ローズ、ジャスミン、アイリス、バイオレット
ラストノート：ライトムスク、サンダルウッド、パウダリー
持続性、強さ、香りのチャート
持続性：5時間程度
放香性：★★☆☆☆ 弱い
合歓（ネム）って、どんな香り？
トップノート：ライチとグレープフルーツ（10分）
トップノートの主役は、ライチの甘く瑞々しいフルーティーな香り。
そこにグレープフルーツ果汁のほろ苦い爽やかさが加わることで、すっきりしたフルーティーノートになっている。
ミドルノート：少しだけパウダリーに（50分）
付け始めから10分程すると、少しずつアイリスのパウダリーさが出てくる。
トップから続くフルーティーな香りに粉感のある甘さが薄く重なっている形で、シャンプーっぽさもある。
深く香りを吸い込むと、洋ナシのようにも思える。
パウダリーさがあると言ってもこれは強くなく、軽やかな香りになっている。
ラストノート：石けん調のムスク（4時間）
石けん系のクリーンなムスクの香りを中心に、ドライダウンへ向かう。
清潔感があって、軽やかな甘さを持ったムスク香だ。
相変わらずシャンプーっぽさのある香りが続いている。
そしてそのまま香りが淡くなり、終わっていった。
全体を通して軽やかな香りになっている。
香り立ちも穏やかな香水だった。
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パルファンサトリ／ネムの解説と感想
合歓木（ネムノキ）とは？
日本のメゾンPARFUM SATORI（パルファンサトリ）より、2008年に登場した「Nemu（合歓）」の香り。
「合歓」とは合歓木（ネムノキ）のことで、その花の香りがこの香水のテーマとなっています。
ネムノキはマメ科の樹木で、6～8月頃に薄紅色をしたブラシ状の花を咲かせます。
この繊細な花の形から、英語ではsilk tree（シルクツリー）やsilk flowers（シルクフラワー）とも呼ばれています。
夜になると葉を合わせるように閉じる姿が眠っているようで、「眠る」から「ネム」と名付けられたのだとか。
漢字の「合歓木」は中国での呼び名ですが、合歓（ごうかん）には「喜びを分かち合う事」や「男女が一つ布団で眠る事」という意味があります。
中国では葉が合わさる様子から夫婦円満の象徴とされており、合歓木という名前が付いているのだそうです。
私はネムの花の香りを嗅いだことが無いのですが、パルファンサトリさんの公式ブログに、その咲き始めの香りが描写されていたのでご紹介しますね。
午後3時くらいから、縮れたピンクの糸の塊のような花びらが見えてきて、5時過ぎには一気に伸びてフサッとした形になる。そっとかぐと、初めフルーティーで、淡く、グリーンの、そして粉っぽいにおいがした。
ーパルファンサトリ公式ブログより
ユーモアと温もりで、優しく包み込むような香水
さて、ブランドのホームページにはこんな和歌が載っていました。
（夜の梅や桜にも和歌が載っていますね。）
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『昼は咲き 夜は恋ひ寝（ぬ）る 合歓木（ねぶ）の花 君のみ見めや 戯奴（わけ）さへに見よ』紀女郎 万葉集
これは紀女郎（きのつらめ）が大伴家持（おおとものやかもち）に、合歓の花を添えて送った歌だと言われています。
意味は「昼は咲いて夜は恋しい想いを抱いて眠る合歓の花。主人（私）だけに見させて良いのですか。お前も見なさい。」となります。
君は「主」のこと、戯奴は「私め」や「お前」のように卑下するニュアンスを含んだ呼び方です。
紀女郎は人妻で、家持より10歳ほど年上だったのですが、歌の中で自分を”主”、家持を”お前”と呼び、「こっちに来て一緒の布団で寝んかい」と家持をからかっているんですね。
ちなみにこれに対する家持の返歌はこちら。
『吾妹子（わぎもこ）が 形見の合歓木（ねぶ）は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも』大伴家持 万葉集
意味は「あなたを想って見る合歓の木は、花だけ咲いて きっと実は結ばないのでしょう。」となります。
「どんなに想っても、どうせこの恋は実らないんだ！」と言っているのですが、これは本気で恋しているのではなく、からかい混じりに届いた歌に、冗談で返しているのですね。
受け取った紀女郎が、「ふふふ」と静かに笑っている姿が目に浮かびます。
香水・合歓の香りはというと、そんな”含み”を一切感じさせない、明るく可憐なフローラルになっています。
すっきりしたフルーティーさと石けん調のムスクが混じり、シャンプーっぽさもあると思います。
とは言え、少しのパウダリーさが混じることで”ぶりっこ”なシャンプーではなく、”優しく穏やか”な香りになっているようです。
紀女郎の笑い声のように、女性らしいユーモアと温もりにそっと包まれるような、嫌味がなく軽やかなフローラル香水です。
まとめ
今回は「パルファンサトリ／ネム オードパルファン」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
ネムは、ライチやグレープフルーツのすっきりフルーツと石けん調のクリーンなムスクが交わる香水です。
少しのパウダリーさが伴う事で、香りに穏やかで優しい印象を与えています。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考：
パルファン サトリの香り紀行「ネムの花・ねむ・合歓・シルクフラワー」https://parfum-satori.hatenablog.com/entry/post_52
PARFUM SATORI公式ホームページ「合歓 -Nemu-」https://parfum-satori.com/?pid=16537218
