今回は、「香水のレイヤード(重ね付け)」についてお話ししたいと思います。
香水のレイヤードとは、複数のフレグランスアイテムを使って、自分らしい香りを生み出す付け方のことを言います。
香水を重ね付けすることには賛否両論あると思うのですが、私は大好きです。
そこで今回は「香水のレイヤード」について、基本的な香りの選び方(組み合わせ方)やどうやって付けたら良いか(場所)をご紹介をしたいと思います。
このページで分かること
・香水の「レイヤード」「重ね付け」とは何か
・どうやって香りを組み合わせたら良いか
・レイヤードする時には、どこに付けたら良いのか
香水レイヤード(重ね付け)とは何か
なぜレイヤードするの?
「レイヤー」とは「重ねる、重なり」といった意味です。ですので、香水のレイヤードとは「重ね付け」のことを指します。
別々の場所に付けることで、それぞれの香水の香りを活かしつつ、新たな香りを生み出すことが出来ます。
香水レイヤードの魅力は何と言っても「オンリーワン」の香りを作り出せること。
元々もつ自分の肌の匂いによっても、一人ひとり香水の香り方は違いますが、レイヤードすることでさらに自分だけの香りにすることが出来ます。
それに加え、うまく組み合わせれば香りに複雑さや奥行き・立体感を生むこともできます。
これによって、たとえばお手頃価格の香水やシンプルな香りであっても人と被ることなく、面白味のある香りにすることができるのです。
レイヤリング香水の選び方
【1】似た香りを組み合わせる
まずは、よく似た香りの組み合わせです。
写真は「メゾンクリスチャンディオール サクラ EDP(左)」と「グタール ローズポンポン EDT(右)」。
今回は「DIOR(ディオール)メゾンクリスチャンディオール サクラ オードゥパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 サクラは、優しくパウダリーな甘さとフレッシュなお花の香りが混ざり合う、軽やかな[…]
この組み合わせだと、こんな香りに…
付けてすぐ、ローズポンポンのカシスのフルーティーな香りが広がります。それを追いかけるようにして、サクラのメロンのようなフルーティーさも出てくるようです。その後もローズポンポンのキャンディー様のバラと共に、可愛らしい雰囲気のフローラルが続きます。
ラストノートに入ると、サクラはふんわり明るいムスクの甘い香りに、ローズポンポンは軽いウッディーノートで少し暗い香りに道が分かれました。
【2】逆の方向性の香りを組み合わせる
今度は逆に、違う方向性をあえて掛け合わせる方法です。
写真は「ジョーマローン スカーレットポピー EDC インテンス(左)」と「ゲラン アクアアレゴリア ジンジャーピカンテ EDT(右)」。
今回は「JO MALONE LONDON(ジョーマローン)スカーレット ポピー コロン インテンス」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 スカーレットポピーは、練乳や杏仁豆腐のようなミルキーで甘い香りの香[…]
今回は「GUERLAIN(ゲラン)アクアアレゴリア ジンジャー ピカンテ オーデトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 ジンジャーピカンテは、ショウガの辛さやシトラスの酸味をしっかり感じる香り。[…]
香りのコントラストが強いので、うまくいけばすごく印象的なレイヤードに仕上がります。
でも一番失敗しやすいのも、こういった逆の香りで組み合わせたとき(笑)。
重い香りの方を香り立ちの穏やかな場所に、軽やかな方を香りやすい場所に、離れた位置に付けるのがオススメです(例:お腹+内肘)。
この組み合わせだと、こんな香りに…
最初の方は、スカーレットポピーの練乳のような甘さと、ジンジャーピカンテの生姜の辛さが対比的でとても良い香り。
方向性の全く違う香りが、ちっとも混ざり合わないのに矛盾もせず同時に存在している感じは、レイヤードならではの良さだなぁと思いました。
しばらくすると香りが馴染み出します。ジンジャーピカンテがスカーレットポピーの香りを軽やかにしてくれるようです。
スカーレットポピー単独で付けると練乳のような香りでしたが、組み合わせることでココナッツミルクのような匂いに変化しました。
【3】イメージする香りを組み立てる
こちらは、具体的な「何か」をイメージして香りを組み合わせる方法です。
写真は「ゲラン アクアアレゴリア マンダリンバジリック EDT(左)」と「フエギア1833 ラカウティーバ パルファン」。
今回は「GUERLAIN(ゲラン)アクアアレゴリア マンダリン バジリック オーデトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 マンダリンバジリックは、蜜柑のような香りやシトラスの果皮の苦み、またプリっと[…]
「オレンジヨーグルトみたいな香りになるかな?」と予想して組み合わせてみました。
(そして、失敗しました…。)
でも本来は、こちらも割と成功率の高い組み合わせ方です。
この組み合わせだと、こんな香りに…
牛乳にオレンジ果汁を加えたらヨーグルトみたいにドロドロになるのですが、そんなイメージで、ミルキーなラカウティーバとオレンジ果汁のようなマンダリンバジリックの香りを合わせました。
付け始めはオレンジマーマレードのような、ワタの部分を感じさせる苦い香りです。
5分ほどで、ラカウティーバの「カシスミルク」がしっかり香り出します。この頃マンダリンバジリックの方は蜜柑を剥いた時のような香り。
よし!ここだ!ヨーグルトのような匂いになるかな??と期待します。…なるわけないよねーw。
甘いカシスミルクと爽やかなオレンジ果汁がそれぞれ香っています。溶け合うことはなく、それぞれ独立した形で香るレイヤードでした。
香水レイヤード、おすすめの付け方
レイヤード場所の基本的な考え方
◆香水を控えめに香らせたい方は、こちらをどうぞ。
香水の付け方って人それぞれですよね~。今回は、私の香水の付け方についてご紹介します。 私は基本的に「あなた香水くさくってよ!」と言われるのを恐れておりますので、控えめに使っている(つもり)です。ですので、「[…]
香水レイヤードの基本ルール
◆基本的に2種類まで
◆別々の場所に付ける
◆重い香り→匂いにくい場所、軽い香り→匂いやすい場所
3種類以上でレイヤードしても良いのですが、かなり香りがゴチャゴチャになります。
基本的に2つまでにすると失敗しにくいですよ!
また、同じ場所に2種類を付けてしまうと、それぞれの香水の良さが活かせません。別々の場所に付けましょう!
そして、香りがずっしり重い印象を与えるものは「香りが強く出ない場所」に、逆に瑞々しい軽やかな香りは「匂いがしっかり出やすい場所」に付けると良いですよ~。
香り立ちの強弱と付ける場所の関係については、こちらの記事(サイト内で移動)をご覧ください♪
付ける場所は「上下」「表裏」「内外」を意識して
「上下」の付け方
上下を意識して付ける場所を選ぶ方法です。
下に付けた方がベースになり、上に付けた方がしっかり香ります。
具体的な場所の組み合わせで言うと、(上+下)=(上腹部+下腹部)、(腹部+内腿)、(内肘+膝裏)など。
「表裏」の付け方
表裏を意識して場所を選ぶこともできます。
表側にメイン、裏側にサブの香りを持ってくると良いですよ。
具体的な場所は、(表+裏)=(腹部+腰)、(腹部+膝裏)などがあげられます。
「内外」の付け方
最後に内外を意識して付ける方法です。
内にベースとなるもの、外に躍動感を与えたい香りを持ってきます。
具体的に付ける場所を言うのならば、(内+外)=(腹部+手首)、(内腿+くるぶし)などがあります。
まとめ
今回は「香水のレイヤード」について、「香りの選び方(組み合わせ方)」と「どこに付けたら良いか」を中心にご紹介しました。
香水レイヤードでは、それぞれの香りが似ているのか、もしくはコントラストがはっきりしているのか、また、近くにつけるのか、体の離れた部位に分けて付けるのかによっても、香り方が変化します。
同じ香水を使っても、付け方次第、組み合わせ次第で色んな香りを生み出すことができる!それも魅力や楽しみの一つですよね。
今回は2つの香水を使ってレイヤードする方法についてご紹介しましたが、例えば香水+ヘアミストや香水+ボディクリームといったように、別々の香りアイテムでレイヤードを楽しむこともできます。
ぜひ、「自分だけの」お気に入りの組み合わせを探してみてくださいね♪