今回は「HERMES(エルメス)ブラン ドゥ レグリス オードトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ブランドゥレグリスは、ドライフラワーにしたラベンダーの花そのもののような、アロマティックな香り。
後半では、温もりある甘い香りが増していきます。
この記事はこんな方にオススメ!
・エルメス、ブランドゥレグリスの香りについて詳しく知りたい
・ラベンダーの香りが好き
・フゼア系は苦手
HERMES(エルメス)エルメッセンス ブランドゥレグリスとは?
香水の基本情報
タイトル:Brin de Reglisse Eau de toilette(ブラン ドゥ レグリス オードトワレ)
ブランド:HERMES(エルメス)
香調:アロマティック
調香師:Jean-Claude Ellena(ジャン=クロード・エレナ)
発表:2007年
廃盤:2023年 販売終了(たぶん)
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ノート:
ラベンダー、リコリス、オレンジブロッサム、干し草
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4時間程度
放香性:★★☆☆☆ 弱い
エルメッセンス ブランドゥレグリスって、どんな香り?
トップノート:爽やかなラベンダー(10分)
ラベンダーの香りから始まる。
レモンのような酸味と、ユーカリのような青さ・清涼感も混じっているようだ。
フゼア系の理髪店っぽい匂いではなく、”ラベンダーそのもの”といった香りになっている。
ミドルノート:甘さが混じり出す(30分)
ラベンダーが中心となって、香りが進む。
セージのようなほろ苦さを持ったハーブの香りや、リコリスの温もりある甘さも感じる。
杏仁っぽい甘さも入っていそう。
ラストノート:ラベンダーが控えめに(3.5時間)
香り立ちが穏やかになり、ラベンダーも控えめになってくる。
とはいえ、まだまだラベンダーが中心で、そのベースに柔らかな甘さが広がっている。
甘さはリコリス、ヘリオトロープ、パウダリーなミモザ、クリーミーなアイリスを混ぜたような感じで、粉っぽさもある。
最後はラベンダーより甘さの方が強くなり、フェードアウトしていった。
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解説と感想
こだわりのラベンダー香料から作られた香水
2004年からスタートした、エルメッセンスシリーズ。
本ページでは、2007年発売の「Brin de Reglisse(ブランドゥレグリス)」についてご紹介しています。
Brin de Reglisseとは「リコリスの切れ端」や「1本のリコリス」といった意味。
タイトルにはリコリス(甘草のこと、甘い香りがする)が入っていますが、この香水の主役はラベンダーです。
調香したジャン=クロード・エレナ氏は、ブランドゥレグリスについて次のように話しています。
[以下、引用]
エルメスのために、リコリスとラベンダーを組み合わせた「Brin De Reglisse」というエルメスの香水を作りました。私の頭の中では、ラベンダーの香りに対する新しいアプローチを見つけるというアイデアでした。
市販のラベンダー オイルには満足していませんでした。非常に高品質のものを試しましたが、私にとっては十分ではありませんでした。私はラベンダー オイルの構造を知っているので、ラベンダーに含まれる分子をすべて知っています。私にとって、ラベンダー オイルは汗のような匂い、おしっこのような匂いで、その匂いがどの分子から来ているかを知っています。テルピネオール 4 と、樟脳とボルネオールです。
そこで、モニーク レミーの研究所に行って、「テルピネオール、ボルネオール、樟脳を使わないラベンダーを作ってもらえませんか」と言いました。そこで彼らはラベンダーを蒸留し、ソーセージのように50の部分に切り分けました。そして私はその50の部分すべてを嗅ぎました。そして私はおしっこの香りと汗の香りを見つけました。そして私たちはそれらを取り出してラベンダーを再構築しました。そしてそれをBrin De Reglisseに使用しました。
問題は、通常のラベンダーオイルは60ユーロかかることです。この新しいラベンダーは600ユーロもしました。しかし私はそれを買いました。なぜならそれがこの香水に最適なラベンダーだったからです。
[引用おわり]
出典:Persolaise「The Enigmatic Illusionist – An Interview With Jean-Claude Ellena」
フゼア系にならない、ラベンダーそのものの香り
このように、拘り抜いたラベンダーを用いて作られたブランドゥレグリス。
こちらを付けるとラベンダー香水ではなく、ラベンダー精油ですらなく、ドライフラワーにしたラベンダーそのものを嗅いでいるようなリアリティーを感じます。
ラベンダーの、アロマティックで特徴的な花の匂い。
そこにハーバルでフレッシュな青さと清涼感や、ほろ苦い感じも混じっています。
ラベンダー香水はフゼア系の香りが展開していくものが多いですが、こちらはそうなりません。
「ラベンダーそのもの!」という香りが、非常に素晴らしい!
後半では、甘さが強まっていきます。
ノートには甘草が挙げられていますが、杏仁豆腐系の甘さも僅かに感じます。
ドライダウンの頃にはラベンダーより甘さの方が香りの中心となっており、ミモザのようなパウダリーな甘さや、”ニベア系”のクリーミーなアイリスのような甘さも混じっているようでした。
前半はラベンダーが強くややメンズ寄り、後半は甘さが増してややレディース寄り、トータルで見るとユニセックスな香調かと思います。
フゼアに寄らないアロマティックなラベンダー香水って少ないので、廃盤になってしまったのがとても残念です。
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参考:HERMES公式ホームページ「Brin de Reglisse Eau de toilette」https://www.hermes.com/be/en/product/brin-de-reglisse-eau-de-toilette-V38171/