今回は「PENHALIGON’S(ペンハリガン)アルテミジア オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
アルテミジアは、柔らかなパウダリーさが続く香水です。
ちょっと怖い絵を代表作に持つイタリアの女性画家、アルテミジア・ジェンティレスキに着想を得て生まれましたが、とても優しく穏やかな香りになっていますよ。
この記事はこんな方にオススメ!
・ペンハリガン、アルテミジアの香りについて詳しく知りたい
・物語を背景に持つ香水を使いたい
・パウダリーでふくよかな香りが好き
PENHALIGON’S(ペンハリガン)アルテミジアとは?
香水の基本情報
タイトル:ARTEMISIA Eau de Parfum(アルテミジア オードパルファム)
ブランド:PENHALIGON’S(ペンハリガン)
香調:パウダリー、フローラル
調香師:ドミニク・ブーリー
発表:2002年
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トップノート:ネクタリン、グリーンリーフ
ミドルノート:スミレ、シクラメン、スズラン、ローズ、ジャスミン、グリーンアップル
ラストノート:ムスク、バニラ、アンバー、サンダルウッド、オークモス
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:6.5時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
アルテミジアって、どんな香り?
トップノート:フルーツは少しだけ(15分)
付け始めだけ少しフルーツ果汁のフレッシュさはあるものの、2、3分もするとパウダリーな香りが出てくる。
甘酸っぱいフルーツがあるのは感じるが「ネクタリンの香り」と特定できるわけではなく、「何となくフルーツの匂いが混じっているなぁ」くらいに控えめ。
ミドルノート:パウダリーさが強まる(1時間10分)
次第にパウダリーさが強まっていく。
トップの辺りでは「ベビーパウダー」くらいにマイルドだったが、ここでは「お化粧品」っぽさを感じさせる強いパウダリーさになっている。
「甘さがあってドライ、明るくポフポフした印象のパウダリー・フローラル」といった感じ。
ラストノート:お香っぽく変化(5時間)
香調の変化は少なめで、ラストノートはパウダリー×ムスキーな香調となっている。
相変わらずパウダリーさが香りの中心となっているが、ミドルに比べるとだいぶ落ち着いてきたように思う。
また、”化粧品っぽさ”というよりは”お香っぽい”パウダリーさに変化したようにも思った。
最後の最後でモスの匂いも出てきてドライダウン、という流れになっていた。
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ペンハリガン/アルテミジアの解説と感想
フェミニズムを先導する画家、アルテミジア・ジェンティレスキの香水
2002年に発売されたペンハリガン「ARTEMISIA(アルテミジア)」の香り。
こちらは「ブリティッシュテイルズ」コレクションの中の一本です。
アルテミジアは17世紀に活躍したイタリアの女性画家、アルテミジア・ジェンティレスキに着想を得て生み出された香水。
「アルテミジア」は夜の女神・アルテミスに由来する女性名の一つです。
先日、本ブログでご紹介した「ルナ」は、月の女神セレネから生まれた香水ですが、アルテミジアは女神アルテミスからではなく、一人の女性から生まれたのですね。
(セレネとアルテミスは別々の女神でしたが、徐々に「月の女神」として同一視されるようになりました。)
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さて、アルテミジア・ジェンティレスキについてですが、彼女は若いころに騙され、タッシという男と性的関係を持ちます。
(タッシは既婚者で、しかも同様に複数女性と関係していた。)
怒った彼女の父はタッシを訴えるのですが、被害者であるアルテミジアは、さらに”売女”との誹りを受けるのです。
その怒りから生み出されたと目されているのが、代表作である「ホロフェルネスの首を斬るユディト」です。
色仕掛けで、敵将・ホロフェルネスをユディトという女性が討ち取るシーンが描かれています。
※ダウンロードフリーの絵画ではないようなので、所蔵美術館の当該ページにリンクを貼っています。興味のある方はぜひご覧ください。
この絵のホロフェルネスにタッシ、ユディトにアルテミジア自身が重ねられており、十字架の剣で”神の裁き”のごとく、ホロフェルネスに切りかかっています。
このようなエピソードや作風からも、アルテミジアはフェミニズムを先導する女性の一人として現代に名を残しているのです。
ほわほわと穏やかな香りが続く
それでは、香水「アルテミジア」を肌に一噴き。
最初だけフルーツのフレッシュさがあるものの、すぐにパウダリーに傾いていきます。
パウダーの部分は「ベビーパウダー→お化粧品→お香」と少しずつ変化はあるものの、ずっとパウダリーなままです。
また、ノートを確認すると色々な花がリストされていますが、その中でも圧倒的にスミレの印象が強いです。
というか、スミレというよりアイリスっぽい香りに思えます。
私の中では、この二つはどちらもパウダリーで優しい甘さの匂いだと思っていますが、スミレの方が清楚で控えめな感じで、アイリスの方がより粉っぽく乾いたイメージ。
アルテミジアの粉っぽさは、それくらいにポフポフと乾いた香りになっていました。
明るくパウダリーなふくよかさが続きます。
「男性というジェンダーに胡坐をかき、あまつさえ女性を貶めるアホウの首なんて切ってしまえ」という絵を描いた女性と、この香りはどうやっても結びつきません。
この香水には、怒りも不穏な要素も全く感じないのです。
個人的な好みを言うなら、わたくしパウダリーは好きなんですがモスが苦手でして…。
最後にうすーくモスが出てくるのですが、この部分が無ければボトルで所持したいと思う、素敵なパウダリー香水でした。
まとめ
今回は「ペンハリガン/アルテミジア オードパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
アルテミジアは、少しのフルーティーさと たっぷりのパウダリーさが香る香水です。
イタリアの画家、アルテミジア・ジェンティレスキにインスパイアされて生まれましたが、怒りや不穏さはなく、とても穏やかな香りになっています。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:
L’ATELIER DES PARFUMSホームページ「アルテミジア オードパルファム」https://latelierdesparfums.jp/collections/penhaligons-british-tales/products/artemisia-edp-spray