ミス ディオール全部まとめ!香水の歴史と香りの違い・全種類一覧

ディオールを代表するフレグランス コレクション「ミス ディオール」。

今回はこの「ミスディオール」について、その歴史や香りがどのように変化していったのかご紹介していきたいと思います。

ディオール香水あるあるですが、同じ名前でもリニューアル毎に香りがどんどん変わっていくので、ミスディオールって本当に種類が多くてややこしいんですよね。

それぞれの香りや発売年などをまとめた一覧も載せていますので、ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。

始まりの香水、ミスディオールの歴史

ディオールで最初に作られた香水

第二次世界大戦後、その爪痕が残る1947年のこと。

クリスチャン・ディオールが「ニュー・ルック」と呼ばれる初めてのコレクションを発表し、世界的な成功を収めました。

その同年に発表されたのがディオールを代表する香水、「MISS DIOR(ミスディオール)」のシリーズです。

ニュールック コレクションを代表する8ラインのスタイル

■「ニュールック」は香水にもなっています。詳しくはリンクをどうぞ。

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さて「Miss Dior」とは、クリスチャン・ディオール氏の末の妹カトリーヌのこと。

ディオール最初の香水は彼女へのオマージュとして、エレガントかつ可憐な香りが生み出されました。

香りのポイントは、シプレノートにくっきりしたグリーンノートが加わっていたこと。

この新たな「グリーン・シプレー」の香調によって、「保守的でありながら活き活きと先進的な女性像」をイメージさせる香り作りに成功したのです。

緑の香りを含むジャスミンが、夜と大地が奏でるしらべにのせて歌う、蛍の飛び交うプロヴァンスのある宵、ミス・ディオールは生まれました

―クリスチャン・ディオール

ちなみに初代のミスディオールの香りは、ゲランの名香の一つ「夜間飛行」の処方にも影響を受けて作られたと言われています。


ミスディオールは3つの時代に分かれる

ミスディオールは80年ほどの長い歴史がありますが、大きく”3つの時代”に分けることが出来ます。

創世期(1947-2005年)

まずは、ミスディオールが生まれてから最初の60年ほどの間。

この時期のディオールからはディオリッシモ(1956年)プワゾン(1985年)ジャドール(1999年)といった大大大ヒット香水が飛び出します。

そして時代の流れと共に、より若い世代に向けた香りも求められるようになっていくのです。

シェリー時代(2005-2011年)

そして大きな転換点となったのが、2005年。

グルマンやフルーティーの要素を盛り込んだ、「ミスディオール シェリー」のシリーズが登場しました。

これが、シェリー時代(2005-2011年)です。

新時代(2011年以降)

そして最後、2011年以降の時代です。

シェリーのラインが大成功をおさめると、2011年には元々「ミスディオール」だったものが「ミスディオール オリジナル」と呼ばれるようになり、逆に「ミスディオール シェリー」だったものが「ミスディオール」という名前になりました。

”ノーマルなミスディオール”と呼ばれる物が、ついにはシェリーの方に移行したのですね。

そしてその後も、ミスディオールのシリーズは増えていくことになります。


ミスディオールの一覧と香りの違いについて

この項目では「ミスディオール」シリーズの香水一覧と、リニューアル別の香りの移り変わりについてご紹介したいと思います。

「ミスディオール オリジナル」と「ミスディオール」では香りに大きな違いがありますので、この2つに分けてお話ししていきますね。

ミスディオール オリジナルの全種類まとめ

ミスディオール オリジナルにはどんな種類がある?

まずは「ミスディオール オリジナル」について。

こちらが1947年に作られた、元々のミスディオールの香りです。

ミスディオール オリジナルの香水・全種類一覧と香りの違い

ミスディオール オリジナルの香水一覧

発売当初はパルファン、トワレ、コロンの3種類でした。現行品はドゥマシー版で、コロンはありません。

日本ではエクストレドゥパルファンとトワレが販売されていますが、海外ではエスプリドゥパルファンの取り扱いもあります。

ミスディオール オリジナルはどんな香り?

さて、いつの年代かはっきり分からないのですが、ビンテージのパルファンを少し分けてもらった物が手元にありますので、そちらを使って簡単に香りをご紹介しますね。

付け始めは、ガルバナムの苦いグリーンさ。そしてすぐに、アルデヒドの温もりや甘さが追いかけてきます。

暫くするとジャスミンの甘い香りがアルデヒドに重なっていく形。

徐々にアイリス系のパウダリーな甘さも広がり、この辺りまでは結構 綺麗めな香りです。

でもここからが凄い。

重めのアルデヒドとジャスミンの組み合わせでもギリギリ綺麗系を保っていたのに、レザーノートが出てきたことで一気にアニマリックで官能的な方向に引っ張っていきます。

アイリスの清楚なパウダリーも、ポフポフした感じではなく肌に絡みついてくるようなねっとり系の質感に。

「このまま淫らな香りにずんずん進んでしまうのだろうか…」と懸念していると、香りの奥底からジワジワとパチョリ・モスが出てきます。

そして気が付けば、シプレの持つクラシックで優雅な雰囲気へとイメージチェンジ。

先ほどまでのねっとりした官能性はどこへ行ったのか…。ほんと不思議。

全体的にクラシックな香りですが、とてもパワフルで、一気にアニマリックに引きずり込むような展開が特に面白いです。

種類やリニューアルによって香りに違いはあるかと思いますが、オリジナルの方は全体的に統一感のあるグリーン・フローラル・シプレーの香りとなっています。


ミスディオールの全種類まとめ

ミスディオールにはどんな種類がある?

一方で、元々「シェリー」と呼ばれていた「ミスディオール」のラインは、同じ名前でもどんどん香りが変わっています。

ミスディオールの香水・全種類一覧と香りの違い

ミスディオールの香水一覧

※香りは同じでボトルだけ特別とか、限定12本みたいな希少な物は入れていません。

chérie(シェリー)とはフランス語で「愛しい人」という意味。親密な女性に対して愛情を持って呼びかける時に使われる言葉です。

このシリーズは若い女性をターゲットに作られたのですが、グルマン・フルーティー・フローラル・パチョリを組み合わせた、”可愛いシプレ”といった香りが多いのが特徴。

(画像にどんな香りかも書いているので、拡大して是非ご覧ください。文字ちっちゃくてごめんね。)

主なラインは3種類

ミスディオールの主なラインは、オードゥパルファン・オードゥトワレ・ブルーミングブーケの3種類となっています。

濃度の高い物もちょこちょこあり、2024年にはパルファンを出しているので、今後はこのラインも継続して展開していくかもしれませんね。

その他、一作のみで終わった”単発”系ミスディオールもあります。

アブソリュートリーブルーミングとか、可愛いベリーの甘さで好きだったんだけどなぁ。こちらは廃盤になってしまいました。


現在販売中のミスディオール一覧

香りの詳細は、それぞれのリンク先でご覧いただけます。

■ミスディオール オードゥパルファン

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■ミスディオール オードゥトワレ

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まとめ

今回は、ミスディオールシリーズの歴史や香りの変遷についてご紹介しました。

ミスディオールは、ディオールで最初に作られたメゾンを代表する香水です。

オリジナルのラインは「グリーン・フローラル・シプレー」の優雅な香り、ノーマル(旧シェリー)のラインは「フルーティー・フローラル・シプレー」の可愛い香りが多いですよ。

どんどん香りが作り替えられているので、種類が多くややこしいです。

ミスディオールを手に取る時には、どの年代・どの処方かという事をチェックしてみても面白いですよ~!

参考:

・Dior公式ホームページ「ミス ディオール」https://www.dior.com/ja_jp/beauty/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA-%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9/%E3%83%9F%E3%82%B9-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB

・新間美也「アロマ調香レッスン」原書房/2021

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