今回は「L’ARTISAN PARFUMEUR（ラルチザン パフューム）オブスキュラシオ オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
オブスキュラシオは、南国感のあるイランイランの甘いフローラルに粉っぽいバニラ、そしてチョコレートのようなパチョリを重ねた香り。
ページ後半では、「イランイラン香料について」や似ていると言われている「トムフォード／ブラックオーキッドとの比較」も掲載しています。
この記事はこんな方にオススメ！
・ラルチザン、オブスキュラシオの香りについて詳しく知りたい
・イランイランの香りが好き
・暗い雰囲気の香水が欲しい
L’ARTISAN PARFUMEUR（ラルチザン パフューム）オブスキュラシオとは？
香水の基本情報
タイトル：25 Obscuratio Eau de Parfum（オブスキュラシオ オードパルファム）
ブランド：L’ARTISAN PARFUMEUR（ラルチザン パフューム）
香調：フローラル
調香師：Daphné Bugey（ダフネ・ブジェ）
発表：2021年
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ノート：
イランイラン、バニラ、インドネシア産パチョリ、フリージア、シダーウッド、アンバーグリス
持続性、強さ、香りのチャート
持続性：6～6.5時間程度
放香性：★★★☆☆＋ やや強い～強い
オブスキュラシオはどんな香り？
トップノート：ラムレーズンアイスとチョコソースとオレンジから始まる（20分）
付けた瞬間はラムレーズンアイスクリームのような香り。
2、3分すると甘くないチョコレートソースの苦みとオレンジ果汁の甘みが薄く重なる。
さらに5分ほどでココナッツ系の南国調の甘さが出てきて、これが主役の香りに落ち着く。
ミドルノート：ココナッツ・ビーチ系とイランイランのエキゾチックな香り（50分）
ココナッツ系のビーチっぽい感じとイランイランの南国調の花の甘さが香りの中心。
その背後にラムレーズンアイスのようなミルキーな甘さと、甘くない液状チョコ（パチョリかな？）もある。
イランイランは香り付き文房具っぽく感じることも多いが、オブスキュラシオではそうはならなかった。
ラストノート：ウッディー・バニラとアーシーなパチョリ（5時間）
南国っぽさが薄れ、ウッディー・バニラの香調でドライダウンに向かう。
乾いた木の匂いに粉っぽいバニラの甘み、そしてパチョリのアーシーな香りも重なる。
パチョリはミドル辺りまでは甘くないチョコソースみたいだったが、ここにきて湿った土のような側面も出てきた。
パチョリ＆バニラの色気も強い、レディース寄りの香調。
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解説と感想
イランイランとバニラ、パチョリの香り
2021年に登場した、ラルチザンパフューム ラボタニック コレクションの中の一つ、「Obscuratio（オブスキュラシオ）」。
このシリーズの香水には、全てラテン語でダークな雰囲気のタイトルが付けられており、Obscuratioは「暗がり」という意味です。
ブランドによる香りの説明は、次の通り。
（抜粋）マダガスカルのノシベ島では、イランイランが抗えない程魅力的な光です。
この小さな花の花弁はリッチなバーボンバニラと合わさることでさらに魅惑的になり、パチョリの暗いうねりが危険な感じを示しています。
ーL’ARTISAN PARFUMEURホームページより（たゆた訳）
オブスキュラシオのキーノートはイランイラン、バニラ、パチョリです。
本ブログでは、迷った末に香調をフローラルとしましたが、イランイランだけでなくバニラやパチョリも同等に主張して香ります。
強いて言うならイランイランがメインかな？というところで、それを粉っぽいバニラの甘さやチョコレートっぽいパチョリで風味付けし、官能的に仕上げた香水になっているのだと思いました。
イランイラン香料について
オブスキュラシオでキーとなっているイランイランについて、少しお話ししますね。
イランイランはフィリピン原産の花樹。
細長くカールした黄色の花弁を合わせたような、面白い形の花をつけます。
香料の産地としてはコモロ諸島産の物が最も多く、次いでマダガスカル北部のノシベ島となっています。
一般的に、花から抽出する香料は溶剤を用いて作られたアブソリュートが多いですが、イランイランは水蒸気を当てて芳香成分を取り出す「水蒸気蒸留法」によって抽出されます。
イランイラン精油を買おうとすると価格が数段階に分かれているのですが、これは最初の方に抽出されたものは高価で、蒸留時間が長くなり後の方で取れたものは比較的安価で取引されているからです。
イランイランの香りは官能的で、濃厚な甘さと南国っぽさやビーチっぽさのあるイエローフローラル系。
私は割と香り付き文房具（練り消しみたいな）の匂いに感じることが多いですが、オブスキュラシオのイランイランではそれがありませんでした。
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トムフォード／ブラックオーキッドとオブスキュラシオは似てる？
もう一つ、オブスキュラシオとトムフォード／ブラックオーキッドが似ているとよく言われているので、香りの比較・違いについてお話を。
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同時にムエットに出して比べてみましたが、一番の違いはブラックオーキッドで出てくる瓜っぽさが、オブスキュラシオでは無い所かと思います。
他にもチョコレートっぽさはブラックオーキッドの方が断然強いですし、ココナッツや南国っぽい感じ、またバニラの甘さは、逆にオブスキュラシオの方が強いです。
甘いフローラルとチョコレートの暗い香りという共通する点も確かにあって、「うん、言われてみれば分かる分かる」という程度には似ています（激似という程ではない）。
ブラックオーキッドの方がより濃厚で、重ーくセクシーな香りです。
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参考：L’ARTISAN PARFUMEUR公式ホームページ「Obscuratio」https://www.artisanparfumeur.com/uk/en_GB/p/obscuratio-eau-de-parfum-75ml–000000000065132971
