今回は「L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)ミュール エ ムスク オードトワレ」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
ミュールエムスクは、ラルチザンパフュームで最初に作られた香水です。
明るい日差しの下、レモン水片手にベリー摘みをしている風景を水彩画で描いたような、淡く美しい香り。
この記事はこんな方にオススメ!
・ラルチザン、ミュールエムスクの香りについて詳しく知りたい
・ラルチザンで最初に作られた香水について知りたい
・穏やかなムスク系の香水が欲しい
L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)ミュールエムスクとは?
香水の基本情報
タイトル:MÛRE ET MUSC Eau de Toilette(ミュール エ ムスク オードトワレ)
ブランド:L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)
香調:ムスキー
調香師:Jean-François Laporte(ジャン=フランソワ・ラポルト)
発表:1978年
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トップノート:レモン、オレンジ、バジル、ラベンダー
ミドルノート:ブラックベリー、レッドベリー、ジャスミン
ラストノート:ムスク、オークモス、パチョリ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:3.5時間程度
放香性:★☆☆☆☆+ とても弱い~弱い
ミュールエムスクって、どんな香り?
トップノート:レモン水の香り(15分)
トップノートはシトラスの香り。
レモンが中心となっているが、レモン果汁のような酸味の強さや刺激はない。
「レモン水」みたいに穏やかで瑞々しく、クリアな爽やかさを感じる。
そこに少しだけ”青い香り”が重なっている。
これはバジルとのことだが、私にはフレッシュな針葉樹の葉のような軽いウッディーさを含んだ匂いに思えた。
ミドルノート:草花とベリーの香り(40分)
シトラスが和らぎ、代わるようにして甘酸っぱいベリーの香りが出てくる。
キュートな感じの、合成的なベリー系ではない。
ベリーを摘んでいる風景をイメージさせる、草花の匂いも混じったようなナチュラルな香りだ。
甘さは控えめで、軽やかさもある。
粒子の細かな乾燥した土を思わせる埃っぽさと、クラリセージ系の甘さ・ほろ苦さの混じったハーブ香も混じっていた。
ラストノート:淡い香り立ち(2.5時間)
石けん的なムスクの温もりと甘さが出てくる。
アイリス系のパウダリーフローラルも混じっているようだ。
ずっと香り立ちは軽めだが、ラストノートまでくるとより一層淡い。
そしてそのままフェードアウトしていった。
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ラルチザン/ミュールエムスクの解説と感想
ラルチザン パフュームで最初に作られた香水
ラルチザンパフュームで最初に発売された香り、「MÛRE ET MUSC(ミュールエムスク)」。
ラルチザンの設立は1976年の事で、こちらはその2年後――1978年に登場しました。
ラルチザンパフュームは、ジャン=フランソワ・ラポルト氏が「伝統的な商品と新たな香水は共存できるはず」という思いから立ち上げたブランド。
「新たな香水」とは自然からの着想とエレガントなシンプルさ、素晴らしい原料を掛け合わせ、「新しい嗅覚の道を切り開く」という志を持った香りだそうです。(文献※「レアパフューム」P.20より)
そんなジャン・ラポルト氏が手掛けたミュールエムスクについて、書籍にこんな言葉が載っていたのでご紹介しますね。
「ミュール エ ムスク」は、あふれんばかりのムスクとブラックベリーのフルーティノートが融合した他に類を見ない甘い香りで、今日にいたるまで香水の歴史で伝説となっている。これをまねようとする者はあとを断たないが、決して同じものはできず、男女を問わず魅了するこの香水は、今もベストセラーであり続けている。
ー※「レアパフューム」P.21より抜粋
個人的には、ニッチ香水ブランドがたくさん台頭した現代においても、同じように斬新で類まれな香りに感じるかというと、必ずしもそうではないと思います。
ミュールエムスクは珍しいというよりは、むしろ馴染みある香調にすら感じる香り。
それでもやはりミュールエムスクはブランドのアイコン的存在で、発売から50年ほど経った今なお色褪せず人気の香りであり続けるのは、本当にすごい事だと思います。
※参考文献:「フォトグラフィー レアパフューム 21世紀の香水」サビーヌ・シャベール他著/原書房/2015
水彩画のような淡い香り
それでは香りについて。
ブランドによると、ミュールエムスクはこんな香りだそうです。
弾ける新鮮なベリーと長く青々とした草、そして晴れた日のブラックベリー摘みの為に準備された小さな白いエプロンの思い出。
温もりのあるホワイトムスクと風味豊かなブラックベリーの大胆なコントラストは、ミュールエムスクだけでなく、このニッチフレグランスメゾンを香水の作り手の真のパイオニアとして際立たせています。
ーラルチザンパフューム公式ホームページより(訳・たゆた)
この香水を付けると、レモン水片手にベリー摘みをしている様子を水彩画にしたような淡さを感じます。
ベリーもシトラスもハーブもムスクもその輪郭は曖昧で、水滴でぼかされて互いに滲んているような美しさ。
MÛRE ET MUSCを日本語にすると「ブラックベリーとムスク」という意味です。
しかしベリーの香りは確かにあるのですが強く主張することはなく、全体的な香調としては「フルーティー」には感じません。
一方で、ムスクの方は非常に印象深く香ります。
ところで、ミュールエムスクはかなり軽やかな淡い香りなので、100mlで2万円オーバーの価格帯は個人的にはちょっと手が出せないかな…。
香りの持続や軽さと価格は相関しないって、分かってはいるんですけどね…。
(そんなこと言ったらクルジャンのロー アラローズは70mlで4万近いが、恐ろしく儚いし…笑)
そんな訳で力強い香りが好きな方には物足りなく感じると思います。
ミュールエムスクは「自然な雰囲気が好きな方」「ムスクの香りが好きな方」「香り立ちや香り持ちが穏やかなフレグランスを好む方」にオススメの香水です。
まとめ
今回は「ラルチザン パフューム/ミュールエムスク オードトワレ」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
ミュールエムスクは、ラルチザンパフュームで最初に作られた香水であり、ブランドのアイコン的な存在でもあります。
レモン水とベリー、そして柔らかなムスクを掛け合わせたような、淡く優しい香りです。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:L’ARTISAN PARFUMEUR公式ホームページ「MÛRE ET MUSC」https://www.artisanparfumeur.com/en-gb/fragrance/bestsellers/mure-et-musc-eau-de-toilette-1553344.html