皆さま、イチジクの香りはお好きですか?
フィグ香水が登場したのはここ20年くらいですが、あの青みがかったフルーティーさとココナッツのようなミルキーな香りのファンも多いのではないでしょうか。
さて、先日イチジクの葉(フィグリーフ)を大量に頂きました!
そちらで「いちじく茶(フィグティー)」の茶葉を作ってみたので、詳しい作り方や注意点、また感想などをご紹介したいと思います。
無花果(いちじく)の葉っぱ、フィグリーフとは?
無花果(イチジク/フィグ)とは
無花果(いちじく)は、バラ科クワ目イチジク属の落葉樹木です。
香水好きの皆様は、「いちじく」より「フィグ」と呼んだ方が馴染みがあるかもしれませんね。
漢字では「花が無い果実」と書きますが、普段食べている部分が花なのだそうです。
日本では、8月~10月ごろまで収穫されます。
旧約聖書の中でアダムとイブが食べた「禁断の果実(知恵の樹の実)」は、「リンゴ」ではなく「イチジク」だとする説もあるようです。
花もない(ように見える)のに実ができる果物なので、確かに「善悪の知恵を授ける不思議パワー」があってもおかしくないですね!
フィグリーフはどんな匂い?
生のフィグリーフを嗅いだことはあるでしょうか?
直接、イチジクの樹から葉っぱを嗅ぐと、「わ!すごいイチジクの匂い!」と思わず言ってしまうくらい、葉っぱからも強い芳香があります。
果実よりココナッツミルクのようなクリーミーさは控えめで、青さを強くしたような香りがしますよ!
初めて生み出されたフィグ香水と言えば、「ラルチザン パフューム/プルミエ フィグエ EDT(1994年)」が有名ですね。
当サイトで既にレビューした物の中では、このあたり↓が「フィグリーフをしっかり感じられる系」のフィグ香水だと思います。
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無花果の葉で出来る「お茶」、いちじく茶の作り方
今回はこのフィグリーフを使って、「いちじく茶(フィグティー)」を作ってみたいと思います。
蒸したらすぐに天日に当てていきますので、良く晴れた日を選び、朝から作業に取り掛かると良いですよ~。
手順1.洗って、傷んでいる所を取る
まずは葉っぱを流水で綺麗に洗い、虫食いなどで傷んでいる部分を取り除きます。
切ると、葉脈からジュワっと白い液が染み出てきます。
さらに、次の工程で蒸し器に入れやすいように、小さめにカットしていきます。
これぐらいの大きさ↓
手順2.軽く蒸す
軽く蒸していきます。
お家に蒸し器があればもちろんそれでOKですし、なければ大きいお鍋があれば代用可能です。
●レシピサイト「まめな料理帖」さんに、代用の仕方が載っていました。
充分に蒸気が回ったら、1~2分蒸し、ザルにあげておきます。
私は4Lくらいのお鍋で、一度に大きめの葉っぱ5~6枚分ずつ蒸していきました。
(参考)なぜ「いちじく茶」を作る時に蒸すのか?
緑茶では酵素活性を止める(発酵させない)ため、また葉っぱの青臭さを軽減するために「蒸し」の工程があるそうです。
あいち産業科学技術総合センターの研究によると、いちじくの葉茶は発酵させることで「甘み」や「苦み」に関与するアミノ酸量が逆に増えるそうです。
また、発酵させることでポリフェノールが増え、「苦み」「渋み」が増すそうです。
つまり…
●蒸す→アミノ酸&ポリフェノール少ない→あっさりした味
●蒸さない→アミノ酸&ポリフェノール多い→はっきりした味
のお茶が出来るみたいですね。
●詳しく知りたい方は「あいち産業科学技術総合センター/剪定イチジク葉の有効活用に関する研究(2015) 」をご覧くださいませ。
いちじくの葉の「未発酵茶」「発酵茶」「発酵+焙煎茶」で色々比較しておられます。
手順3.天日で干す
想像以上に大量に葉っぱをもらったので、大きなネットをホームセンターで買ってきて、それを洗濯物を干すスペースに張ってみました。
虫の混入が怖すぎるので、こういう野菜とか干せるヤツ↓を使おうと思っていたのですが…。
少量の場合は、このような物で干すのが便利です。
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天日干しは、よく晴れた天気の下、2~3日くらいで完了します。
ほとんど乾いたかな~と思っても、写真の真ん中辺りのように半生の部分が残っていることがあります。
この「ふにゃっ」とした手触りの部分がなくなるまで、しっかり乾かしていきます。
朝~夕方3時くらいまで干して、いったん家に取り込み、また次の天気の日に乾かすといったことを繰り返します。
手順4.細かく砕く
干しあがると、こんな感じです。
生の状態と比べると、香りはフィグリーフの青々しさが弱まり、「甘み」「苦み」が増したように思いました。
これをビニール袋に入れて、袋の上からモミモミ…。
写真↓くらいの大きさになるまで砕きます。
ジップロックなどに入れて、乾燥した場所で保管しましょう!
いちじく茶(フィグティー)の使い方
お茶として飲む
まずはオーソドックスに、お茶として飲むことができます。
緑茶を淹れる時と同じくらいの茶葉を入れ、熱湯で1、2分蒸らしてみました。
カップに注いでみると、緑茶よりちょっと褐色がかっている感じ。
匂ってみても、あまりイチジクの香りはしませんでした。
ところが口に含むと、ほんのりイチジクの香りが鼻に抜けます。
甘さと僅かな苦みもあって、カモミールティーのスッとした部分を無くしてフィグの風味を付けた味でした。
●いちじく茶の成分については、こちらのサイト(お茶屋さん?)に載っていました。参考までにリンクを貼っておきます。
イチジクときくと、どのようなイメージでしょうか?香水やルームフレグランスなどにも使われる甘く芳醇な香りに、まるで小さな宝…
いちじく茶を「茶香炉」で焚く
私は、ルームフレグランスとして茶香炉を使っています。
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以前から、乾燥フィグリーフを焚いてみたい!と思っていたのでさっそく試してみました。
過熱していない状態でも良い香りがするのですが、茶香炉にかけると一層香りが広がります。
焚いたあと、香炉のお皿に葉っぱを出しっぱなしにしておくと、付近を通りがかったときにふわっと良い香りが…。
これ、凄く気に入りました!
茶香炉をお持ちの方は、是非試してみて欲しいです。
私は作りましたが、いちじく茶の既製品もあります。
イチジク葉茶 3袋セット ハーブティー 茶 イチジク 国産 無花果 鳥取産 いちじく 自家製 健康茶 茶葉 梶谷ファーム |
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茶香炉は、こちらがオススメ(私もこれを使ってます)
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その他
想像以上に香り立ちがしっかりしているので、小さな布袋に詰めて「サシェ」にするのも良さそうです。
私はイチジク葉茶を作るついでに、いちじくの葉のドライフラワーも作ったのですが、それを下げているだけでも結構香っています。
まとめ
今回は「無花果の葉(フィグリーフ)のお茶の作り方」「いちじく茶の使い方」を中心にお伝えしました。
蒸す工程が少し面倒ですが、その他はとっても簡単に作ることが出来ました!
個人的には「飲む」より「香り」として使う方が好きです。
茶香炉で焚いたり、サシェにして楽しむのも良いですよ。
いちじくの果実だけでなく、葉っぱもとっても良い香り!
イチジクの樹が身近にある方は、ぜひ試してみてくださいね。
参考:
・JAグループ「イチジク(無花果)」https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=85
・山年園「CHANOYU./イチジク葉茶の特徴|気になる味や香りと成分について解説」https://www.e-cha.co.jp/contents/ichijiku-ha-cha/
・あいち産業科学技術総合センター「剪定イチジク葉の有効活用に関する研究」鳥居貴佳、近藤温子、石川健一/2015年/https://www.aichi-inst.jp/shokuhin/research/report/04-p112-sk09.pdf