香水を付けると衣類にも匂いが移ってしまいますよね。
そして、洗濯しても簡単には落ちない…。
洗濯したあとのトップスをずぽっと被り、頭を通り抜けた瞬間「香水の匂いが残ってる!!」って感じることがよくあります。
あれはあれで良い香りだったりもするのですが、その日に新しく付ける香水のためにも服のニオイは出来るだけ取り除いておきたいなと思っています。
そんなわけで、今回は「洗濯で服に付いた香水の臭いを消す方法」についてお話ししたいと思います。
色々な洗濯の仕方を試してみたので、香水のにおい残りでお悩みの方は良かったら参考にしてください~。
取れない香水の臭い…。消臭に効果のあるものは?
【実験1】水、重曹、クエン酸、酸素系漂白剤、洗剤、ファブリーズ、アルコールで比較
目的:服に付いた香水の匂いを取り除くのに、効果のある物を調べる。
比較に使ったもの・効果
水…水性の汚れを溶かし込む
重曹…酸性の汚れを取り除く(中和作用)
クエン酸…アルカリ性の汚れを取り除く(中和作用)
酸素系漂白剤…活性酸素の力で汚れを分解する
洗濯用洗剤…汚れを包んで水の中に浮き上がらせる
ファブリーズ…匂い分子を包んで取り除きやすくする
エタノール…油性と水性の汚れを溶かし込む
・未使用の小さな綿の布8枚に、香りが残りやすい香水として「トムフォード/ブラックオーキッド パルファム」をそれぞれ1プッシュずつ塗布する。
今回は「TOM FORD(トムフォード)ブラックオーキッド パルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 ブラックオーキッドPは、完熟プラムやラムに濃厚な花々の香り、そこにチョコレート系の深みのある甘[…]
・塗布後12時間放置(日中、香水を付けているイメージ)し、1~8番までの物に漬ける、または塗布した。
- そのまま
- 水300ml
- 水300ml+重曹10g
- 水300ml+クエン酸10g
- 水300ml+酸素系漂白剤(粉)10g
- 水300ml+洗濯用洗剤(液)10g※
- ファブリーズ1プッシュ
- 60%程度のエタノール1プッシュ
※界面活性剤43%の濃縮タイプ
・その状態で8時間放置し、その後洗濯機で通常どおり洗濯・乾燥した。
【結果】やっぱり洗濯用洗剤はすごかった!
結果は以下のようになりました。
- (そのまま)がっつり匂いが残っている。ウッディ系の匂いがする。
- (水)けっこう取れているけど、まだまだ残っている。①の1/3程度にまで匂いは薄まっている。
- (重曹)②よりも薄まっているけど、あまり変わらない。
- (クエン酸)③と同じ程度。
- (酸素系漂白剤)結構取れているけど、におい残りがある。
- (洗濯洗剤)⑤よりも取れている。それでもにおい残りはある。
- (ファブリーズ)③と同じ程度。ウッディな匂いがする。
- (エタノール)③と同じ程度。ウッディな匂いがする。
匂いを落とす効果が高い順に並べると、こんな感じ。
【まとめ】服についた香水の臭いは、取り除くのが難しい
・洗濯洗剤に漬けおきすることで香水の臭いを取る効果が期待できるが、一晩程度で完全に取りきることは難しい。
・水に漬けるだけでも、多少の消臭効果が期待できる。
・肌に付けるものなので「中性付近にph調整されてるだろうな~」と予想しており、重曹溶液(アルカリ性)やクエン酸溶液(酸性)は水と同程度の効果だろうと思っていたが、水だけよりも臭いが取れた。
・ファブリーズとエタノールには正直期待していなかったが、意外と消臭効果があってビックリ。
重曹やクエン酸で洗濯しても、消臭できない理由
油汚れは全て「酸性」⇒重曹で落とせるは「嘘」
「香水の臭いは『重曹』や『クエン酸』で洗えば落とせるよ!」というのを良く見かけますが、今回の実験ではそのような結果にはなりませんでしたよね。
そこで、服に付いた香水の臭いになぜ「洗濯洗剤」と「酸素系漂白剤」が効果的だったのか、もう少し掘り下げて考えたいと思います。
香水は油系の汚れです。
「油汚れは『全部酸性』だから、アルカリ性の重曹液を使って中和すれば良い」とよく聞きますが、実は間違っています。
油は確かに「酸化」しますが、「酸化」と「酸性」は全然別物。
たぶんこのあたりの言葉がゴッチャになって、「油汚れは全部酸性⇒重曹で中和しよう!」という謎の定説が生まれたのだと思います。
重曹で落とせる油汚れもある
一方で、皮脂や酸化が進んだキッチンの油汚れは遊離脂肪酸(酸性)を多く含んでおり、重曹などの弱アルカリでも中和によって汚れを落とすことが期待できます。
さらにこれらはタンパク質汚れも含んでいますが、タンパク質はアルカリ性に溶ける性質があります。
よって、こういった油汚れには重曹が効果的なのも事実です。
また、油汚れにアルカリが有効というのも事実ですが、中性の油に対して重曹程度の弱アルカリではほぼ無効です。
(業者さんが使うような強アルカリは、油汚れを「鹸化」して強力に落とします。危険なので一般家庭向きではありません。)
香水の臭いに「洗濯洗剤」と「酸素系漂白剤」が効いたのは…
そんな訳で、香水が油性の汚れだから「酸性」だ!とは一概に言えず、今回の実験でも重曹液で香水の臭いが取れなかったのですね。
予想の域を出ませんが、一つ一つの香料のphはそれぞれ違う、かつ香水全体としてはph調整されているんじゃないかなと思います。
このあたりの影響で、「重曹」だけでなく「クエン酸」でも多少の消臭効果があったのかなと考えました。
以上のことから、界面活性剤の力で油を水に浮き上がらせる「洗濯用洗剤」と、活性酸素のパワーで汚れ自体を分解しようとする「酸素系漂白剤」に一定の香水消臭効果が見られたという結果になったのですね。
匂いを消したい時の洗剤の使い方・洗濯の仕方
【実験2】洗剤の使い方で、臭い消し効果に違いはあるのか
目的:服に付いた香水の臭いを消すために、効果的な洗剤の使い方を調べる。
比較に使ったもの・効果
濃縮液体洗剤…界面活性剤43%、アルカリ剤なし
⇒実験1で使用した物
⇒中性洗剤だけど界面活性剤が沢山含まれている
⇒実験1ではちょっと多すぎたので半量にする
粉末洗剤…界面活性剤9.9%、アルカリ剤(炭酸ナトリウム・ケイ酸ナトリウム)入り
⇒我が家の洗濯で通常使っている物
⇒界面活性剤は少なめで、アルカリ性に傾けることで働きを助ける
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「無臭」な点も使い心地◎です。
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(アタックはネットよりDSの方が安いので、そちらで購入)
・未使用の小さな綿の布4枚に、香りが残りやすい香水「トムフォード/ブラックオーキッド パルファム」をそれぞれ1プッシュずつ塗布する。
・塗布後、12時間放置(日中、香水を付けているイメージ)し、1・2番に漬ける、3・4は洗濯直前に処置した。
- 水300ml+濃縮液体洗剤5gに8時間漬ける
- 水300ml+粉末洗剤5gに8時間漬ける
- 濃縮液体洗剤5gを洗濯直前に揉みこむ
- 水300ml+濃縮液体洗剤5gに洗濯直前の2、3分漬ける
・その後洗濯機で通常どおり洗濯・乾燥した。
【結果】長時間、洗剤につけおきすると効果あり
結果は以下のようになりました。
- (液・漬けこみ)結構匂いが取れている。
- (粉・漬けこみ)結構匂いが取れている。①より僅かに臭い残りがある。
- (液・直前)かなり臭いが残っている。
- (液・直前2、3分漬ける)多少取れているけど、甘い香りが残っている。
・匂いを落とす効果が高い順に並べると、こんな感じ。
【まとめ】直前に予洗いするだけでは、香水の臭いは取れない
・直前に短時間 洗剤を使うよりも、長時間 洗剤に漬けこんだ方が消臭効果は高い。
・普段洗濯する時には濃縮液体洗剤の方が汚れ落ちは強いと感じているが、香水の臭いを消すという点では液洗剤・粉洗剤の効果に大きな差はなかった。
・漬けこむ時間がない場合は、洗濯前の2、3分間洗剤溶液に漬けるだけでも、一定の効果を期待できる。
次のページでは、実際に洗濯で香水の臭いが落とせるか試した結果が載っています。
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