今回は「武蔵野ワークス/葛の花 オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
「葛の花」は、葡萄ジュースのような葛の花のリアルな香りが楽しめる香水です。
前半はフレッシュ・グリーンな香り、後半はパウダリーでまろやかな甘い香りとなっています。
この記事はこんな方にオススメ!
・武蔵野ワークス、葛の花の香りについて詳しく知りたい
・ブドウの香りがする香水が欲しい
・葛の香りに興味がある
武蔵野ワークス(ムサシノワークス)葛の花とは?
香水の基本情報
タイトル:Kuzu Eau de parfum(葛の花 オードパルファム)
ブランド:MUSASHINO WORKS(武蔵野ワークス)
香調:フルーティー、フローラル
調香師:ー
発表:2009年
トップノート:グレープ、レモン、カシス、グリーンノート
ミドルノート:グレープ、ミュゲ、ローズ、シナモン
ラストノート:グレープ、ミュゲ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
葛の花って、どんな香り?
トップノート:瑞々しいフルーツとレモン、グリーンさ(30分)
付けた瞬間、和梨のような瑞々しいフルーティーさ、レモンの酸味が広がる。
そこに青々とした葉を刻んだような、シャキシャキ感とフレッシュさも加わる。
5分程すると、葡萄ジュースに似た甘い香りが出てきた。
ミドルノート:葡萄ジュースの甘い香り(1時間20分)
葡萄ジュースの甘みが増してくる。
生のブドウ果実というより、人工甘味料のような甘さを感じる。
ミュゲ(鈴蘭)に由来するのか、グリーンで瑞々しい香りも感じるが、ホワイトフローラル系の甘さは少ない。
時間経過と共にフレッシュさが減っていき、葡萄ジュースにアイリスとパウダリーなバニラを薄く重ねたような、乾いた甘さになっていく。
ラストノート:パウダリーでまろやかな甘さ(2時間)
瑞々しさがすっかり無くなり、葡萄ジュースに乾いた甘さを足したまろやかな香りでドライダウンに向かう。
香り立ちも、かなり穏やかになっている。
全体を通して「葡萄ジュース」が中心となっていた。
葛の花のリアルな香りに近い香水。
▼▼ ブドウ香水いろいろ♪AD▼▼
解説と感想
生命力が強い…、強すぎる「葛」
秋に入ったばかりの頃、山沿いの道を歩いていると何やら良い香りが。
葡萄味のチューインガムのような、ファンタグレープのような”人工感”のある甘い香りです。
少し自然のある地なら、どこにでも蔓延っているアイツ。
そう、葛の花の匂いです。
葛はマメ科の蔓性植物で、他の木を覆い尽くしてしまう程の強い生命力を持っています。
線路なんかの法面を見ると、だいたいセイタカアワダチソウ(日本の侵略的外来種ワースト100)か葛(世界の侵略的外来種ワースト100)に覆われていますよね…。
根からは葛粉が採れて和菓子の原料となったり、葛根湯になってくれたりと有難い面もあるのですが、なかなか困ったヤツでもあります。
武蔵野ワークス「葛の花」は、パフューマーの方が青森県をご旅行中に、海岸に群生する葛の花の香りに出会ったことがきっかけで誕生したそうです。
多くの素晴らしい香りを知っている調香師さんをも魅了する葛。
やはり侮れない存在です。
リアルな「葛の花」の香り
さて、「葛の花」を肌に一噴き。
この香水ではグレープジュースのような甘さを軸に、香りが展開していきます。
大まかには、前半は「グレープジュースにフレッシュ・グリーンを重ねた香り」、後半は「グレープジュースにパウダリーでまろやかな甘さを重ねた香り」という形。
前半ではファンタグレープに青葉を刻んだ時のフレッシュさと少々のえぐみ、そこに柑橘の酸味も加わります。
それがまるで葛の咲き始めの頃のような香りで、非常に再現性が高いのです。
お見事!と拍手したくなるくらい。
途中で出てくるミュゲノートも、グリーンな感じのお薬感(キンチョール系の鼻にツンと来る感じ)があって、これもまた、葛の花の”リアルさ”に拍車をかけているようでした。
葛の開花シーズンには、グレープジュースの他にホワイトフローラル系の甘みを感じる時期があります(咲き始めではなく、もっと後)。
藤やジャスミンサンバックのような、あっさりジャスミン系の甘さが混じるのですが、その香りはこちらの香水では感じられませんでした。
葛の花の匂いがお好きな方、嗅いだことないけど気になる!という方は、ぜひ一度お試しを。
(武蔵野ワークスさん、4mlのちっちゃいサイズからあるので!)
★「葡萄ノートが使われている香り」がお好きな方はこちらの記事もオススメです。
今回は「NISHANE(ニシャネ)カラギョズ エキストレドパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 カラギョズは、ジューシーなパイナップルから始まり、だんだん落ち着いた木の香りへとトーンダウンして[…]
今回は「P.Frapin&Cie(フラパン)1270 オードパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。 1270は、パイナップルのフルーティーさとラムの甘さ、酒樽のようなウッディーが香る香水[…]
参考:武蔵野ワークス公式ホームページ「葛の花」https://www.fragrance.co.jp/f4/a901.html