【アールフレグランス】辻が花のレビュー|香りで描く、鮮やかな色彩

今回は「R fragrance(アールフレグランス)辻が花 オードパルファン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。

辻が花は、葡萄イランイランの甘い香りにサンダルウッドが重なる香水です。

本ページ後半では、「辻が花とは?」についても説明しています。

この記事はこんな方にオススメ!

・Rフレグランス、辻が花の香りについて詳しく知りたい

・葡萄や甘い花の香りが好き

・着物が好き

R fragrance(アールフレグランス)辻が花(つじがはな)とは?

香水の基本情報

タイトル:辻が花/TSUJIGAHANA Eau de Parfum(つじがはな オードパルファム)

ブランド:R fragrance(アールフレグランス)

香調:パウダリー、フローラル

調香師:村井 千尋(チヒロ・ムライ)

発表:2018年

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トップノート:葡萄(葉・果皮)、イランイラン、クローブ

ミドルノート:藤、すみれ

ラストノート:ヘリオトロープ、ムスク、白檀(サンダルウッド)

持続性、強さ、香りのチャート

持続性:4.5~5時間程度

放香性:★★☆☆☆+ 弱い~やや強い

【アールフレグランス】辻が花のイメージチャート

辻が花って、どんな香り?

【アールフレグランス】辻が花のレビュー|香りで描く、鮮やかな色彩

トップノート:葡萄とイランイランの甘さ(25分)

ブドウ果実のフルーティーさと、イランイランの甘さ。

擦り潰した葉のような、えぐみを伴うグリーンノートも僅かに感じる。

私はイランイランに人工的な甘みを覚えるのだが、こちらは自然な花の甘さだと思った。

ミドルノート:花の蜜と藤(50分)

葡萄から花の蜜のような甘みへと、グラデーション的に変化する。

このあたりの甘さは、葡萄味の粉砂糖のようなイメージ。

口の中でほろり、しゅわりと溶けてしまいそうな儚さを感じる。

遠くから漂ってくる、藤の花の甘い香りにも似ている。

ラストノート:サンダルウッドが加わる(3.5時間)

香り立ちは弱まり、サンダルウッドのウッディーな香りが重なる。

ヘリオトロープやムスクははっきりと香らず、温もりある甘めパウダリーフローラル+サンダルウッドという感じ。

全体的に香調の変化は小さく、香り立ちも穏やかな印象を受けた。


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解説と感想

辻が花とは、着物に用いられる染めの技法

2018年、日本の香水メゾンR fragranceより登場した「辻が花(つじがはな)」の香り。

辻が花とは、着物に用いられる染めの技法の一種です。

(抜粋)着物の上にしか咲かない幻の花”辻が花”。

美しいものは美しい。

男性にも女性にもまとわれる姿には、すべてをありのまま受け入れる価値観が見出される。

国も、セクシュアリティーも時空さえも飛び越えるボーダーレスな世界観を表現した、日本の伝統文化からインスピレーションを受けた香り。

ーR fragrance公式ホームページより

輪郭を縫い取ったり、竹皮で覆って糸を巻き付けたり――様々な絞り染めの技法を用いて、複雑な工程を経ることで初めて完成する辻が花。

辻が花は桃山時代に全盛を迎え、その後突如として姿を消したそうです。

一度はその技法が失われてしまったのですが、戦後に復活。

そんな理由から”幻の染め”とも呼ばれています。

「華やかな辻が花」×「真っ直ぐな桃山文化」×「色彩豊かな香り」

それでは、香水「辻が花」の香りについて。

ざっくりとした香りの流れは「葡萄とイランイラン」→「藤棚から漂う芳香」→「サンダルウッドが出てくる」となっています。

そして全体を通して、パウダリックでまろやかな甘さも感じます。

個人的に、この香水ではイランイランが素晴らしいと思います。

イランイラン香水を付けると、どこか”匂い玉”のような香り付き文房具感を感じてしまい苦手な事もあるのですが、辻が花にはそれがありません。

葉を擦り潰したような、えぐみやグリーンノートがあるからでしょうか。

やたら生々しい、イランイランの花が目の前にあるような香りがするのです。

調香師の村井さんが仰っていたのですが、トップの葡萄も甘いだけでなく、皮の側のちょっと渋い部分の香りまで再現されているそうです。

これも「分かる分かる!」という感じで、小さいころにデラウェア(小粒のやつ)を食べて、しつこく口の中でチューチュー皮を吸っていた時の、渋甘い味を思い出す香りとなっていました。

ミドルで出てくる藤については、近くで嗅いだ藤の花ではなく、歩いていたら「何か甘い花の匂いするな~。あ、藤棚がある!」と気付いた時の様な、遠くから漂ってくる香りに近いです。

豪華絢爛で、派手派手しい桃山文化。

いつもまでの命とも知れない戦乱の世、そして実力主義であったからこそ、「静かで内省的な美」ではなく、華々しく分かりやすくパワフルな文化が花開いたのでしょう。

染めの華やかな模様と、豪華で美しい物をストレートに良しとする桃山文化、そして葡萄の紫・葉の濃い緑・イランイランの黄・藤のうす紫・白檀の茶――色彩豊かに混じり合う「辻が花」の香りがリンクする、そんな香水となっているのです。

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参考:R fragrance公式ホームページ「辻が花 オードパルファン」https://rfragrance.co.jp/products/tsujigahana-edp

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