今回は「Kilian(キリアン)バンブーハーモニー オードパルファム」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
バンブーハーモニーは、軽やかなホワイトティーの香りを中心に、前半ではシトラスのフレッシュさが、後半ではあっさり穏やかな甘さが重なります。
「竹取物語」に着想を得て生まれましたが、”神秘的”というよりは、付けやすく”優等生”な香りになっていますよ。
この記事はこんな方にオススメ!
・キリアン、バンブーハーモニーの香りについて詳しく知りたい
・あっさりしたティー系の香りが好き
・軽やかで、TPO問わず使いやすい香水が欲しい
Kilian(キリアン)バンブーハーモニーとは?
香水の基本情報
タイトル:Bamboo Harmony Eau de parfum(バンブーハーモニー オードパルファム)
ブランド:Kilian Paris(キリアン パリ)
香調:シトラス、ティー、ウォータリー
調香師:カリス・ベッカー
発表:2012年
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トップノート:ビターオレンジ、ベルガモット、ネロリ
ミドルノート:ホワイトティー、バンブー、ミモザ、ペッパー
ラストノート:フィグリーフ、マテ、オークモス
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4~4.5時間程度
放香性:★★☆☆☆ 弱い
バンブーハーモニーって、どんな香り?
トップノート:ウォータリーなシトラス(20分)
フレッシュなシトラスノートから始まる。
グレープフルーツ果汁を、モス入りの水で割ったような匂いだ。
とてもウォータリーな雰囲気。
だがしかし、フレッシュなだけでは終わらない。
シトラス・モス水の中に、植物の茎や若葉のような青さと、ムスキーな温もりのある甘さが漂っているような香りになっていた。
ミドルノート:ホワイトティーの香りが主役(50分)
香りの主役が、シトラスからティーに移り変わる。
日本の緑茶の香りでも、紅茶でも、ウーロン茶でもない。ハーバルで透明感のある軽やかな白茶の香りだ。
ざっくりしたタイプ分けで言うと、エリザベスアーデン/グリーンティーで登場するような系統の、クセの少ないさっぱりしたティーが近いと思う。
やはりここでも、穏やかな甘さを含んでいるようだ。
この甘い部分がミモザなのかもしれないが、私の肌では粉っぽくはならず、フレッシュな香りになっていた。
ラストノート:優しい甘さ(3時間)
「ほわほわした優しい甘さ」がラストノートの主役。
フレッシュでハーバルなティーもまだ残っており、非常にあっさりした甘さになっている。
最後まで肌に残ったのは、モスの香りだった。
トップからモスはずっとベース部分で香っており、この香水全体の”湿度”を高めてくれているが、シトラスやティーの香りに上手く隠れて強くは主張してこない。
なので、フゼア系のような「強く主張してくるモス」が苦手な方でも大丈夫そう。
全体を通して、香り立ちは穏やか。
多少の甘さはあるけれど、夏でも くどくはならない香り。
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キリアン/バンブーハーモニーの解説と感想
「竹取物語」の香水
2012年に「Asian Tales(アジアの物語)」シリーズの一作として登場した、「Bamboo Harmony(バンブーハーモニー)」の香り。
現在は「THE FRESH (ザ フレッシュ)」コレクションの中の一本として販売されています。
香水名を直訳すると「竹の調和」ですが、この香水は日本の「竹取物語(かぐや姫の原作)」に着想を得て誕生しました。
竹取物語は平安前期に書かれた、日本最古と言われる物語です(作者は不明)。
竹の中に入っていた9cmほどのかぐや姫がみるみる絶世の美女になり、5人の貴公子からの求婚を無理難題を提示してかわし、月に帰ってしまうというお話です。
中学生の時に、国語の古典の授業で登場した方も多いかと思います。
竹は僅か3か月ほどで筍から木に成長し、その後は背も伸びず幹も太くなりません(かぐや姫も3か月で大人の大きさになります)。
中は空洞で、マダケの場合は120年に一度 花と実を付け、辺り一帯の竹藪全体が枯れてしまうという不思議な植物です。
竹取物語も不思議なお話ですが、そんな竹の性質と重ね合わせて作られたのかもしれませんね。
では、香水・バンブーハーモニーはどうでしょうか?
残念ながら、こちらは「神秘的な香り」とは違うように思います。
荘厳な雰囲気はなく、フレッシュさとほんわかした甘さが調和した、軽やかで優しい香り。
キリアンの香水って「悪い子の香り」というイメージが強いのですが、こちらは「真面目な優等生」といった印象です。
裏表がなく純粋に付けやすい、安定感のある「良い子の香り」なのです。
フレッシュさと優しい甘さが調和した、ティー系の香水
バンブーハーモニーという名前なのだから、「竹」がメインで香るのかな?と思うかもしれませんが、この香水は「ティー」が主役となっています。
クセも苦みも殆どないような軽やかなティーを中心に、前半ではシトラスのフレッシュさが、後半はあっさりした甘さが重なります。
竹の持つ、青く筋張った匂いはありません。
ノートを確認すると甘さの部分は「ミモザ」がリストされていますが、ミモザ香料の持つパウダリーさは強く出ません。
「ほわほわしたマイルドさ」と「フレッシュなグリーンさ」を併せ持つ、甘い匂いになっています。
香料として組み込まれているミモザではなく、フサアカシアの大木から春先に漂う「ミモザの花の匂い」そのものに近い香りだと思いました。
もう一つ。
この香水の名脇役となっているのが、「モス」の香りです。
トップからベースに感じられて、全体を「湿度の高い香り」に仕立てています。
個人的にモスの香りは得意ではないので、これが強いと「うぉー。肌がモスモスしてるよー!」と叫びたくなるのですが、この香水ではそれがありません。
強すぎず弱すぎず、背後の方でひっそりと香るモスが、非常に良い仕事をしていました。
軽くフレッシュで、適度な甘さもあります。
クセがなく、非常に調和のとれた人好きのする香りだと思います。
まとめ
今回は「キリアン/バンブーハーモニー オードパルファム」について、詳しい香りのレビューをお伝えしました。
バンブーハーモニーは、クセのないティーとほわほわした優しい甘さが香ります。
「竹取物語」のような神秘的な香りではありませんが、フレッシュで適度な甘さもあり、非常に調和のとれた香りになっていますよ。
香り選びの参考になれば嬉しいです♪
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参考:Kilian公式ホームページ「Bamboo Harmony」https://www.bykilian.com/product/19797/52767/perfume/bamboo-harmony/the-fresh#/sku/115036