今回は「Santa Maria Novella(サンタ マリア ノヴェッラ)トバッコ トスカーノ オーデコロン」について、どんな香りかご紹介したいと思います。
トバッコトスカーノは、スモーキー・ウッディーにバニラ・アンバー系の甘みが重なった、まろやかで優しい香り。
フィレンツェ出身でフランス王妃となったカトリーナ・メディチが、偏頭痛の治療のためにタバコを用いたエピソードに着想を得て、誕生した香水です。
この記事はこんな方にオススメ!
・サンタマリアノヴェッラ、トバッコトスカーノの香りについて詳しく知りたい
・歴史を感じさせる香りが好き
・お寺で焚くお香のような香りが好き
Santa Maria Novella(サンタマリアノヴェッラ)トバッコ トスカーノとは?
香水の基本情報
タイトル:Tabacco Toscano Eau de Cologne(トバッコ トスカーノ オーデコロン)
ブランド:Santa Maria Novella(サンタ マリア ノヴェッラ)
香調:ウッディー、オリエンタル
調香師:ー
発表:2008年
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トップノート:ベルガモット、トスカーナ タバコリーフ
トップノート:レザー、アンバー、バーチウッド
トップノート:シダーウッド、ガイアック、サンダルウッド、ムスク、バニラ
持続性、強さ、香りのチャート
持続性:4時間程度
放香性:★★★☆☆ やや強い
トバッコトスカーノって、どんな香り?
トップノート:燻製にした木材(15分)
付け始め、シトラスの酸味が広がるが、すぐに落ち着く。
代わりに出てくるのはウッディーの香りだ。
乾燥木材を燻製にしたような、煙さと旨味を感じる。
タバコリーフのスパイシーさは少なめ。
ミドルノート:アンバー、バニラ系の甘さが出る(50分)
スモーキー・ウッディーな香りが続く。
トップから大きく香りは変わらないが、ベース部分にアンバー・バニラ系の甘さが出てきたようだ。
これにより、まろやかで優しい雰囲気となっていく。
レザーは私の肌では感じなかった。
ラストノート:甘いスモーキー・ウッディーが続く(3時間)
香調は大きく変わらないが、香り立ちが弱まってくる。
スモーキー・ウッディーと、バニラ・アンバー系の甘みが続く形。
ウッディーの中心にあるのは、乾燥木材のようなサンダルウッドの香りだ。
甘さもあるが香り立ちは穏やかで、くどさは感じなかった。
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解説と感想
フィレンツェと関わりが深い、タバコの香り
イタリア・フィレンツェに誕生し、800年以上の歴史を持つサンタ マリア ノヴェッラ。
本ページでご紹介している「TABACCO TOSCANO(トバッコトスカーノ)」は、ブランドによるとこんな香りだそうです。
(抜粋)女王カテリーナ・ディ・メディチが愛用していた片頭痛薬 “Herba catharinaria(カテリーナのハーブ)” からインスピレーションを得たこのフレグランスは、ベルガモットとトスカーナ産タバコの葉のブレンドで始まります。
ミドルノートでは、バーチウッドとレザーのダークノートがアンバーの温かい香りに包まれます。
ベースノートでは、シダーウッド、グアイアカム、サンダルウッド、ムスク、バニラの香りが、ビロードのような余韻を残します。
ーサンタマリアノヴェッラ公式HPより
16世紀頃のイタリア・フィレンツェで、医師・薬剤師の名門家系・メディチ家に生を受けたカトリーナ・メディチは、フランス王家へと嫁ぎました。
彼女は偏頭痛持ちで、駐ポルトガル大使であったジャン・ニコが、その治療のためにと王家に献上したのがタバコの葉でした。
(ニコチンやニコチアナ・タバカムの「ニコ」は、ジャン・ニコの名前に由来しています)
サンタマリアノヴェッラは、世界最古の薬局としても知られています。
そんなブランド背景と、カトリーナ・メディチの出自や”薬”として用いられたタバコの歴史。
また、フィレンツェ含むトスカーナ地方は、タバコの名産地でもあります。
これらの事柄をリンクさせ作り上げられたのが、トバッコトスカーノという香水なのですね。
まろやかで優しいタバコ香水
”薬”としてのタバコの歴史を意識しているからでしょうか。
トバッコトスカーノは、他のタバコ香水と一味違います。
タバコ香水は、暗さやカッコ良さ、そこにセクシーさを織り交ぜたような香りが多いです。
しかしトバッコトスカーノは、優しくまろやかなスモーキー・ウッディーの香りになっているのです。
タバコっぽさは少なめで、燻製のようなスモーキーさを感じさせます。
特にトップノートでは、まるで塊の鰹節を嗅いでいるような”旨味”すら覚えました。
このあたりは、お寺で焚いた香木の細い煙が上がっているようでもあり、”寺系”の香りとも言えそう。
ミドル以降は、バニラ・アンバー系の甘みが出てきます。
これによって、香りはどんどん温もりと丸みを帯び、同じ寺系でも「東アジアの寺院」から「西アジアの寺院」へとイメージが変化していきます。
タバコもバニラ系の甘さも、強くは香りません。
タバコ香水にしては軽めで、シーンを選ばず使いやすいかと思います。
秋冬~春先まで、寒く乾いた空気に良く似合う香水です。
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参考:サンタマリアノヴェッラ公式ホームページ「トバッコ トスカーノ」https://jp.smnovella.com/collections/eau-de-cologne/products/edctt