まだまだ寒い日が続いていますが、少しずつ春めいてきましたね。
先日、山の中にある散歩道を歩いていたら花芽がついている木もあり、「あぁ。やっと寒さから解放される~。」と嬉しくなりました。
さて今回は、「香水に使われる春のお花」についてご紹介したいと思います。
本記事には「サクラ」「ミモザ」「フリージア」「スズラン」の4つのお花の香りと、それぞれのオススメの香水16選が載っています。
この記事はこんな方にオススメ!
・春に咲く、香水に使われるお花について知りたい
・春は草花の香りを纏いたい
・軽やかに纏える、フローラルの香水が好き
★フローラルの香りの表現に使われる用語については、こちらをどうぞ!
今回は、香水の香りを表す言葉についてお話していきたいと思います。グルマン系、シプレ系、オリエンタル、ウッディ…etc。香りを表現するのに色々な言葉が使われているのですが、これって結構わかりにくいですよね。 […]
香水で使われる春の花、どんな香り?
サクラ(桜/チェリーブロッサム)
日本人にも愛される春の花といえば、サクラがあげられます。桜(ソメイヨシノ)の花は咲き始めから10日ほどで散ってしまうため、その儚い咲き姿も人気の秘密かもしれませんね。
ちなみに桜の花そのものの香りはさほど強くはありません。
なので、桜の花ってどんな匂いかなぁと思いだそうとしてみるのですが、なかなかパッと出てこないですよね。そして、代わりに私の脳に蘇ってくるのは「桜餅」の匂いです。
香水で「さくら」の匂いというと、「グリーンフローラルのあっさりした香り」、もしくは「桜餅の香り」のどちらかで表現されていることが多いかと思います。
桜餅の匂いは、「クマリン」や「トンカビーン」という香料の匂いでもあるので、桜餅系のサクラが好きな方はぜひチェックしてみてくださいね♪
桜の匂いの香水
桜の匂いのする香水を4つご紹介します。
個人的に以下の4作は全て「グリーンフローラル系」の桜香水だと思っています。メゾンクリスチャンディオールのサクラは「桜餅の匂い」という評を見かけたことがあるので、個人によって桜餅系に感じる人もいらっしゃるかもしれません。
≪発表≫2011年
≪調香師≫クリスティン・ナーゲル
トップノート:ベルガモット、マンダリン
ミドルノート:チェリーブロッサム、ローズ、ミモザ
ベースノート:ローズウッド、ムスク
②ディオール/メゾン クリスチャン ディオール サクラ EDP
≪発表≫2018年
≪調香師≫フランソワ・ドゥマシー
トップノート:グリーンノート
ミドルノート:サクラ、ローズ、ジャスミン、ヘディオン
ベースノート:ミモザ、スミレ、ホワイトムスク
③ゲラン/アクアアレゴリア フローラ チェリージア EDT
≪発表≫2019年
≪調香師≫ティエリー・ワッサー
トップノート:ウォーターメロン、ベルガモット
ミドルノート:サクラ、ペアー、ローズ
ベースノート:ホワイトムスク、バイオレット、ウッディノート
④ロクシタン/チェリー ブロッサム EDT
≪発表≫2007年
≪調香師≫ー
トップノート:チェリー、カシス、フリージア
ミドルノート:サクラ、スズラン
ベースノート:ムスク、ローズウッド、アンバー
ミモザ(アカシア)
ミモザも春のお花。日本での開花時期は2~4月で、黄色く可愛らしい小さなお花を枝先いっぱいに咲かせます。
特に香りの強い品種は「フサアカシア」。生花を嗅いでみると、甘く優しい香りで少し植物らしいグリーンさも感じることが出来る匂いがします。
こちらのミモザを精油にすると、パウダリーな(粉っぽい)感じの、お化粧品的で甘い香りになり、生花の匂いとは少し変化します。
ミモザの匂いの香水
ミモザの匂いのする香水を4つご紹介します。
イエローフローラルやパウダリーな香りが多いミモザの香水たち。日本のブランド、SHIROのミモザは透明感のあるすっきりしたフローラルですが、こちらはミモザの香りというより「ミモザをイメージした香り」となっています。
①プラダ/インフージョン ミモザ EDP
≪発表≫2016年
≪調香師≫ダニエラ・アンドリエ
トップノート:アニス、マンダリン
ミドルノート:ミモザ、ローズ
ベースノート:ウッディノート
≪発表≫2015年
≪調香師≫マリー・サラマーニュ
トップノート:カルダモン、レモン
ミドルノート:ミモザ、ダマスクローズ
ベースノート:トンカビーン、サンダルウッド、ヘリオトロープ
③モノテーム/ミモザ EDT
≪発表≫2017年
≪調香師≫ー
トップノート:ネクタリン、ベルガモット、バイオレットリーフ
ミドルノート:ミモザ
ベースノート:サンダルウッド、シダー、ムスク
④シロ/ミモザ EDP
≪発表≫2019年
≪調香師≫ー
トップノート:グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、グリーンノート、バジル
ミドルノート:ジャスミン、グリーンティー、ローズ、ラベンダー、ローズマリー
ベースノート:ムスク、アンバー、サンダルウッド、ウッディノート
フリージア(浅黄水仙/菖蒲水仙)
お花屋さんで見かける、香りの強い春の花といえば「フリージア」。開花時期は3~4月ごろです。
白、黄色、ピンク、紫などなど花色も豊富で、目にも鼻にも華やかなお花ですよね。
フリージアのお花は香料を抽出することができず、その香りは一般的に合成香料で再現されます。
キンモクセイにも似た、甘ーいお花の香りが特徴です。
フリージアの匂いの香水
古くから愛されるフリージアの香り。たくさん存在するフリージア香水の中から私の好きな4つをご紹介します。
SHIROのフリージアミストには、香りにフリージアの記載はありませんが透明感のあるフルーティフローラルの香調です。フリージアそのものの匂いというよりは、こちらも「フリージアをイメージした香り」となっています。
①カルバン クライン/エタニティ EDP
≪発表≫1988年
≪調香師≫ソフィア・グロスマン
トップノート:フリージア、セージ、マンダリン、グリーンノート
ミドルノート:カーネーション、リリー、スズラン、スイセン、マリーゴールド、スミレ、ローズ、ジャスミン
ベースノート:ヘリオトロープ、ムスク、サsンダルウッド、アンバー、パチョリ
≪発表≫1999年
≪調香師≫オリビア・ジャコベッティ
トップノート:マンダリン、ベルガモット、ブラックペッパー
ミドルノート:ホワイトフリージア、オレンジブロッサム、ジャスミン、カーネーション
ベースノート:ガイアックウッド、ローズウッド、ホワイトムスク
③ジョー マローン/イングリッシュペアー&フリージア EDC
≪発表≫2010年
≪調香師≫クリスティン・ナーゲル
トップノート:ペアー、メロン
ミドルノート:フリージア、ローズ
ベースノート:ムスク、パチョリ、ルバーブ、アンバー
④シロ/フリージア ミスト
≪発表≫2019年
≪調香師≫ー
トップノート:アップル、アプリコット、ベルガモット
ミドルノート:グリーンノート、ローズ、ピーチ
ベースノート:ホワイトフローラル、ムスク
スズラン(鈴蘭/ミュゲ/リリーオブザバレー)
スズランも香りの強いお花。開花時期は3~5月です。ちなみに3大フローラルの一つにもあげられています。
スズランの生花は結構香りが強いのですが、実はこちらも香料が抽出できないお花。その香りは合成香料によって再現されます。
私の実家(山ん中にあります)にスズランが植わっているのですが、生花を嗅ぐと割とグリーンな優しい香りがします。色でいうと「半透明の卵色」みたいな、柔らかい感じです。
香水に入っているスズランを嗅ぐと、それよりはパウダリーな感じで甘みもあるように思います。色でいうと乳白色のようなイメージです。
スズランの匂いの香水
鈴蘭の香りの香水を4つご紹介します。
鈴蘭は「スズラン(日本語読み)」「ミュゲ(フランス語読み)」「リリーオブザバレー(英語読み)」のいずれかで表記されています。
①ディオール/メゾン クリスチャン ディオール ラッキー EDP
≪発表≫2018年
≪調香師≫フランソワ・ドゥマシー
シングルノート:スズラン、ホワイトフラワー、オゾンノート
②ディオール/ディオリッシモ EDT
≪発表≫1956年
≪調香師≫エドモンド・ルドニツカ
トップノート:グリーングラス、ベルガモット
ミドルノート:スズラン、ライラック、ジャスミン、リリー、イランイラン、アマリリス、ローズマリー
ベースノート:シベット、サンダルウッド
③ペンハリガン/リリー オブ ザ バレー EDT
≪発表≫1976年
≪調香師≫マイケル・ピクタール
トップノート:ゼラニウム、レモン、ベルガモット
ミドルノート:リリーオブザバレー、イランイラン、ジャスミン、ローズ
ベースノート:オークモス、サンダルウッド
④ミュウ ミュウ/ミュウ ミュウ EDP
≪発表≫2015年
≪調香師≫ダニエラ・アンドリエ
トップノート:スズラン、ベルガモット、レモン
ミドルノート:グリーンノート、ローズ、ジャスミン、カシス、ピーチ
ベースノート:アキガラウッド、ホワイトムスク
まとめ
「春に咲く香水に使われるお花」について、その香りとオススメの香水をご紹介しました。
今回は、「サクラ」「ミモザ」「フリージア」「スズラン」の4つに絞ってお話ししましたが、水仙やスミレなども香り豊かな春のお花ですよね!
春のお花と一口に言っても、パウダリーな香りや甘い香り、グリーンな香りなど様々です。
ぜひ、あなたにぴったりの香水を纏って、素敵な春をお過ごしくださいませ!
